経営・戦略

2026.03.10 10:54

エグゼクティブの時間は最も高価な資産だ 会議の大半はそれを浪費している

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シニアリーダーは、働く人生のかなりの部分を会議に費やしている。そこから生まれる苛立ちは、よく知られている。だが中核的な問題は、単にエグゼクティブが出席する会議の数ではない。

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真の問題は、エグゼクティブの時間が組織にとって最も高価な資産の一つであるにもかかわらず、多くの会議が特定の戦略的な仕事を生み出すよう設計されていないため、その時間を浪費している点にあると私は考える。時間の目的が不明確なとき、会議はシニアの注意を消費する一方で、組織が必要とする明確さや意思決定、推進力を生み出せない。

現場ではこう表れる

エグゼクティブ会議が、特定の戦略的な仕事を行うために意図的に設計されていない場合、同じ力学が予測可能な形で繰り返し現れがちだ。

よくあるパターンの一つは、CEOへの持ち回りの進捗確認として機能するエグゼクティブ会議である。各リーダーが自部門のアップデートを共有し、CEOがいくつか確認の質問をする。情報は上に上がるが、集合知としての仕事はほとんど起きない。部門横断の緊張関係は検討されないまま残り、トレードオフは暗黙のままで、グループはリーダーシップチームとして十分に関与しない。

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別のパターンは、表面上はよりダイナミックに見える。いくつかのトピックが提示され、グループは思慮深く、しばしば活発な議論を交わす。異なる視点が提示され、人々は入室時より多くのインプットを得て退出する。欠けているのは方向性である。意思決定はなされず、明確な次の一手も定まらない。会議はその場では生産的に感じられるが、その後、組織はほとんど動かない。

3つ目のパターンは、詰め込みすぎたアジェンダである。網羅しようとするあまり、1回の会議に多くのトピックが詰め込まれる。どの論点も必要な深さに到達できず、グループは前進よりも「扱った範囲」を最適化してしまう。会議は時間どおりに終わるが、本当の仕事は別の場所に押し出され、メールや立ち話、フォローアップ会議へと引き延ばされていく。

この3つのいずれのケースでも、エグゼクティブの時間は静かに価値を漏らしている。目に見える機能不全ではなく、忙しく、関与もあり、善意に満ちていながら、組織が待ち望む戦略的で相互依存的な仕事を成し遂げられない会議によって、である。

ライブの時間は、エグゼクティブが一緒でなければできない仕事にのみ使う

上記のパターンには、より深い問題が共有されている。エグゼクティブが同じ場にいる時間が、それを必要としない仕事に常態的に使われているのだ。アップデートやダッシュボード、事前資料は、非同期で扱うほうが適していることが多い。リーダーは、それらの情報を各自で消化することが期待されるべきである。

ライブの時間は、権限、判断、そして共有された説明責任が同じ部屋に揃う、数少ない場である。複雑な情報の解釈、トレードオフの顕在化、含意の厳密な検証、共通理解とコミットメントを要する意思決定といった、部門横断の統合を必要とする仕事のために確保されるべきだ。スライドを読み上げることは戦略ではない。

次の会議を5つの柱で厳密に検証する

リーダーが「ライブの時間が何に固有のものか」を明確にできれば、会議が十分に活用されていない箇所が見えやすくなる。会議が消費するエグゼクティブの時間に見合う価値を生んでいるかを見極める一つの方法は、5つの柱に照らして厳密に検証することだ。目的、プロセス、人、参加者のスタンス、そして成果物である。

これらの要素が暗黙のまま、あるいは当然視されると、善意で行われた会議であっても、本来得られるはずの明確さや推進力を生み出せないことがある。

1. 目的:ここで完了すべきタスクは何か

この会議、あるいはアジェンダのこの部分は、何を達成するためのものか。意思決定を行うのか、将来の意思決定に資する情報を得るのか、提案への合意形成を行うのか、洞察を掘り起こすのか、それとも単に情報共有なのか。焦点を絞った目的がなければ、チームはテーマに関与し続けても、会議を終えた時点で次に何が起きるのかが以前より明確にならないままになりうる。

2. プロセス:このタスクにはどんな種類の作業が必要か

タスクによって必要な協働の形は異なるのに、多くのチームは自由討議にデフォルトしてしまう。提案の妥当性を検証するなら、焦点を絞った討論が求められるかもしれない。リスクや未知を浮かび上がらせるなら、まず質問を集めてから整理し、回答するほうが適している場合もある。プロセスがタスクに合っていないと、チームはライブの時間を費やしても仕事を前に進められない。

3. 人:本当にその場に必要なのは誰か

適切な人選は、目の前のタスクによって決まる。この意思決定を行う、あるいは実質的に形作るために誰が必要か。非同期では代替できない情報を持ち込めるのは誰か。そして、進捗を遅らせずに時間を取り戻せるのは誰か。出席の前提が検討されないままだと、必要な洞察がないままエグゼクティブの時間が費やされ、仕事を解決できない。

4. 参加者のスタンス:その人たちはどう臨むべきか

参加者がどう貢献するかは、目の前のタスクから直接導かれるべきであり、アジェンダ項目ごとに切り替える必要があるかもしれない。タスクが選択肢の創出であれば、参加者は判断を保留しつつ発想を広げ、アイデアを積み上げる姿勢が求められる。次の項目が提案の厳密な検証であれば、同じ参加者がリスクを洗い出し、前提を疑う必要がある。必要なスタンスが明示されないと、参加者は各自の本能に従ってしまい、それがタスクに逆行することがある。参加のモードを名指しすることで、エネルギーが仕事に資する形で向けられる。

5. 成果物:終わったときに何が存在しているべきか

会議の前には存在しなかった何を、グループは持ち帰るのか。意思決定か。提案か。将来の行動を形作る共有理解か。明確な成果物は自然な区切りを生み、「仕事が完了した」という共有の合図になる。これがなければ、チームは早々に切り上げてしまうか、いつまでも長引かせてしまう。

リーダーがめったに計算しないコスト

思慮深い会議設計には、時間と見通しが要る。前に進めるべき仕事が実際に何なのかを明確にし、それに合わせて共有時間を設計することがリーダーに求められる。

だがROIを考えてほしい。2時間のエグゼクティブ会議を設計するために1時間を使えば、フォローアップ会議を3回なくし、数週間にわたる認識のズレを防ぎ、停滞しかねない戦略的な仕事を動かせることがある。エグゼクティブ会議が、このリーダー集団だからこそ一緒にできることを軸に設計されれば、組織はより速く、より確信をもって前進できる。それは、エグゼクティブのツールキットの中で最も十分に活用されていないレバーかもしれない。

forbes.com 原文

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