北米

2026.03.10 09:30

アンソロピックが米国防総省を提訴、AI兵器への転用拒否で「リスク指定」受け

Thomas Fuller/NurPhoto via Getty Images

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アンソロピックは米国時間3月9日、米国防総省が同社を正式に「サプライチェーン上のリスク」に指定し、連邦政府契約の多くから排除したことを受け、トランプ政権を提訴した。この措置は、AI技術の利用制限をめぐる公開討論の末に行われた。

アンソロピックはカリフォルニア州連邦裁判所に提出された訴状の中で、今回の政府の行動が「前例がなく違法」なものであり、自社の「保護された言論」に対する処罰に相当すると主張している。

同社は裁判所に対し、トランプ政権による「不当な報復行為」であるとして、この指定の差し止めを求めた。

この訴状はドナルド・トランプ大統領のトゥルース・ソーシャルへの投稿や、ピート・ヘグセス国防長官のXへの投稿を引用し、財務省や連邦住宅金融局(FHFA)を含む他の政府機関がこれに「追随」し、Claude(クロード)の使用を停止したと主張している。

またアンソロピックは訴状の中で、現在の契約や将来の連邦政府契約を失うことで「即時的かつ回復不可能な収益の損失」が発生するとしている。さらに、政府と契約を結ぶ他の企業も、この指定により「懸念を示し、提携を一時停止し、契約解除を検討」し始めているという。

訴訟では国防総省とヘグセスのほか、他の政府部門や閣僚が被告として指名されている。

コメントを求められた際、国防総省は「係争中の訴訟についてはコメントしない」と回答した。

アンソロピックの広報担当者を務めるダニエル・コーエンはフォーブスへの声明の中で、この訴訟は「必要なステップ」であるとし、同社は「政府との対話を含む、解決に向けたあらゆる道を追求する」と述べた。

アンソロピックは訴状の中で、自社の核心的価値観を遵守していることを理由に政府が同社を「処罰」しようとしていると主張する。同社はAIの安全性をめぐる対立でオープンAIを去った元従業員らによって設立された。「アンソロピックは、責任あるAIを開発するというコミットメントに基づいて設立された」と訴状には記されている。「被告らは、アンソロピックに対して過酷な選択を突きつけた。すなわち、安全なAIに関する自社の見解に反した同省の要求をのみ、安全ではない、核心的原則に反する条件下でクロードを提供するのか、もしくは、連邦政府の手による迅速な損害を被るのかというものである。アンソロピックはAIの安全性と自社サービスの限界に関する長年の見解を堅持し、その結果、被告らはその脅威を実行に移した」

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翻訳=江津拓哉

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