今回のコーヒーの認知機能への効果に関する論文では、朝にコーヒーを飲む場合と日中遅い時間に飲む場合の区別はなされていない(一方、心臓への効果に関する論文の1つでは、コーヒー摂取の恩恵は朝に限られ、1日を通じて飲む場合には当てはまらないことが判明している)。また、この効果がカフェインによるものか、カフェインの代謝産物によるものか、あるいはカフェイン入りコーヒーや紅茶に含まれ、デカフェコーヒーには存在しない他の生理活性物質によるものかも明らかになっていない。
これまでの同様の報告と同じく、今回は観察研究であり、ランダム化比較試験ではない。相関関係は因果関係を意味しない。日常的にコーヒーや紅茶を飲む人と飲まない人との間には、カフェイン摂取とは無関係に行動やライフスタイルに微妙な違いがあり、それが認知症リスクに影響を与える可能性がある。カフェイン摂取と認知症予防との関連性を説明できる生化学的メカニズムを、今後の研究で解明してほしいところだ。
また、コーヒー消費が一般的でありながら、食生活やライフスタイルが本研究の米国人サンプルとは大きく異なる世界各地の集団でも、この結果が再現されるかどうかをぜひ確認したい。
適度なコーヒーの日常的な摂取による他の健康効果について知りたい方は、ジョンズ・ホプキンス大学医学部のこちらの記事が参考になる。パーキンソン病の発症リスク低下、大腸がんリスクの低下、肝臓の健康改善など、さらにいくつかの効果が紹介されている。
筆者としては、1日1〜2杯のコーヒーを飲む習慣を今後も気兼ねなく続けるつもりだ。日々のコーヒーを楽しんでいる方は、どうぞそのまま続けてほしい。


