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2026.03.31 20:00

幸せとは?「挑戦し続けること」——Co-CEO 松田崇弥と松田文登への12の質問から紐解くヘラルボニーの熱源

クリエイティブカンパニーであるヘラルボニーの取り組みは、いまや単なるアートブランドの枠を超え、地方創生へとつながっている。同社の創業者である双子の松田崇弥氏と松田文登氏に共通の問いを投げかけ、二人の人間性に迫った。


2018年に創業したヘラルボニーは、「異彩を、 放て。」をミッションに、障害のイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すクリエイティブカンパニーと自社を表現する。障害のある作家が描く2,000点以上のアート作品をIPライセンスとして管理し、正当なロイヤリティを支払うことで持続可能なビジネスモデルを構築してきた。

創業者は、双子の松田崇弥と松田文登。彼らは岩手県盛岡市に本社を置き、「障害」という言葉に付随する固定観念や常識の壁を超え、新たな文化を創る挑戦を続けている。2024年にはLVMH Innovation Award で「Employee Experience, Diversity & Inclusion」カテゴリ賞を受賞、2025年にはCANNES LIONSで「Glass: The Lion for Change」ゴールドを受賞、アンリアレイジと共にパリ・ファッションウィークに参加し、2026年1月7日には、ヘラルボニー財団を設立した。

財団設立時のニュースリリースのタイトルは、「『兄が幸せな社会』を目指してーヘラルボニー財団を設立」。真の創業者と彼らが呼ぶ双子の兄、松田翔太の存在こそ、彼らの原点であり、「ヘラルボニー」という社名の生みの親でもある。彼らの兄同様に知的障害などがある作家たちによるアートを通して、世界を変えていっている2人はどんな人間なのか?あえてベーシックでシンプルな質問を投げかけてみたい。

ヘラルボニー 松田崇弥と松田文登に一問一答

◆Q1 ご自身を3つの言葉で表すと?

崇弥:「直感」「血」「美」

文登:「頑固」「行動」「ポジティブ」

◆Q2 「幸せ」とは?

崇弥:挑戦しているとき

文登:本気でチャレンジし続けていくこと

◆Q3 何をしているときが楽しいですか?

崇弥:文登と冗談を言い合っているとき

文登:何かに没頭して挑戦しているとき

◆Q4 絶対に譲れないことは?

崇弥:「自分が不幸せになる」と思うことはやらない

文登:ヘラルボニー創業のきっかけである「一番上の兄が幸せに生きられる社会」を強く実現していくための会社でありたいからこそ、兄が悲しむようなことはやらない

◆Q5 何に支えられていると感じていますか?

崇弥:家族

文登:家族や会社、メンバー、双子の崇弥、特に福祉業界の皆さんの期待に支えられている

◆Q6 仲間とは?

崇弥:裸になれる付き合い

文登:本当に思ったことを言い合える人たち

◆Q7 仕事とは? 人生とは?

崇弥:仕事は達成感を味わうもの。人生とは、幸せになるためのもの

文登:仕事は人生を豊かにしてくれるもの。人生で「ヘラルボニー」という作品を後世に残したい

◆Q8 得意なことは?

崇弥:何かを生み出すこと

文登:縁を大切にすること

◆Q9 苦手なことは?

崇弥:語学と片付け

文登:忘れ物や失くしもの、細かい作業

◆Q10 創りたい未来は?

崇弥:家族が「幸せでよかった」と思える未来。家族の属人的な幸せが、世界の同じような家族を幸せにできている状態。

文登:福祉や教育を含めて、多様な人たちが共存する社会を体現したい。

◆Q11 ヘラルボニーとは、どういう存在ですか?

崇弥:一冊の本。物語のようなもの

文登:人生そのもの

◆Q12 崇弥さんにとっての文登さん、文登さんにとっての崇弥さんはどんな人ですか?

崇弥:シンクロしている人

文登:自分がディフェンスサイドで、崇弥はガンガン前に進めるタイプ


すべては兄への想いから始まった

HERALBONY LABORATORY GINZAのギャラリーの入り口にも松田兄弟の長兄・翔太の文字が
HERALBONY LABORATORY GINZAのギャラリーの入り口にも松田兄弟の長兄・翔太の文字が

ヘラルボニーのビジネスモデルは、オーセンティックなものでもあり、極めて今日的でもある。一般的なアートビジネスと大枠は変わらないが、契約する作家は知的障害のある作家であり、作品をライセンス管理し、コラボレーションや自社でのプロダクト販売を行う。これまで、多数の企業との協業を実現し、LVMHイノベーションアワード、カンヌライオンズ金賞の受賞をはじめ、パリコレ進出や海外子会社の設立など国内外に社会的、経済的な広がりを見せている。

松田崇弥 ヘラルボニー代表取締役 / Co-CEO
松田崇弥 ヘラルボニー代表取締役 / Co-CEO

この躍進の背景にあるのは、重度の知的障害を伴う自閉症の兄・翔太の存在がある。だからこそ、崇弥は、自分を構成する要素(Q1)として、まず「血」という言葉を挙げた。

「結局、大切なものを挙げていったら、『血』に依存していると感じるところがあります。兄貴や双子の文登もだし、生まれてきた自分の娘という存在に自分自身、すごく衝撃を受けました。一方で、そこに自分の残酷性もあるかもしれないと思っていて。例えば、もし血のつながりがない場合、同じように愛せるのかな、とも考えてしまいます。もちろん仮の話なのでやってみなければわからないけれど、今現状、私が世界で大切にしているトップ3は『家族』なんです」(崇弥)

文登もまた、絶対に譲れないこと(Q4)として「一番上の兄が豊かになるような社会を強く実現していくための会社でありたい」と断言する。

松田文登 ヘラルボニー代表取締役 / Co-CEO
松田文登 ヘラルボニー代表取締役 / Co-CEO

「ヘラルボニー創業のきっかけは兄からスタートしているので、兄が悲しむような選択はしたくありません。もしその選択をしたら、それが結果としてもっと多くの人々を悲しませることに繋がると思うからです。でも、一人のことを本気で思い続けていれば、結果的に社会全体が良くなっていくという感覚は常にあります」(文登)

兄とともに育つ中で感じてきた、社会の「かわいそう」という視線への強烈な違和感。それが「異彩を、放て。」というミッションを生み、創業の原動力となった。

双子だからこそのバランス感

崇弥を突き動かすのは、研ぎ澄まされた直感だという。

「直感的に『これがいい』と思ったら、即座に『やりましょう』となるタイプで、その瞬間が一番自分らしいと感じます。何かを生み出すことは得意で、思いついた妄想に人を巻き込んで形にしていくのは小さい頃から得意です。一方で、片付けはできないですし、忘れ物もものすごく多いです。僕の失くしもの癖は、昔から仲間内では"松田病"と言われるほど(笑)」(崇弥)

この崇弥の突破力を、文登の頑固さと行動力が支え、ポジティブに具現化していく(Q1)。

「『このプロジェクトはこうしたい』『こういう見られ方はしたくない』といった、ブランドの根幹に関わる部分に関しては絶対に譲らない頑固さがあります。そして、崇弥が大きな案件を外から獲ってくる突破型なら、自分はそれを受け止めて形にする防御型です(Q12)。僕がすぐに誰かに連絡を取って外堀を埋めていくことで、事業が着地するイメージです」(文登)


事業においてもこの役割分担は鮮明だ。フランスを拠点としたグローバル展開やクリエイティブの突破口を切り拓くのは崇弥の領分であり、文登は地元・岩手での地域連携を深め、財団の運営やファンドの組成といった組織の土台となる"守り"のスキームを固める役割を担っている。

得意なことに「何かを生み出すこと」を挙げた崇弥と、「縁を大切にすること」を挙げた文登(Q8)。この二人揃っての攻守の妙は、一方が他方をコントロールするのではなく、完全に信頼し合うことで生まれている。

「当初は、クリエイティブ領域の話があれば、すべて崇弥に繋いでいた時期もありました。でも、それでは非効率だしフラストレーションも溜まってしまう。そこでお互いの得意を明確に分けることにしたんです。それぞれが自分の道で個性を広げていくことで、一人が二人分、あるいはそれ以上の力を発揮できるという確信が持てるようになりました」(文登)

互いの個性を認め、補完し合う関係について、崇弥は「文登とは、シンクロしている」と全幅の信頼を置く(Q12)。互いの個性が自由に広がり続け、お互いがお互いのやりたいことを理解し、それぞれの得意を最大化することで結果的に事業という輪が大きく拡大していく――。そんな双子ならではの、有機的な連動がうかがいしれる。

地元の仲間や福祉施設、出会った人たちへの感謝と覚悟

ヘラルボニーを形づくっているのは、二人だけの閉じた関係ではない。社会的にも経済的にも波及していくこの揺るぎないビジネスの土壌には、家族や仲間との深い繋がりがある。彼らにとっての「仲間(Q6)」とは、ビジネス上の利害関係を大きく超え、「裸になれる付き合い」(崇弥)や「本当に思ったことを言い合える人たち」(文登)と答えている。それは本当に信頼し合い、腹を割って話せる忖度のない人間同士のつながりだ。

その象徴といえるのが、五常・アンド・カンパニー代表の慎泰俊との対談をきっかけに、数年前から二人で始めた「感謝リスト」の作成だ。毎年、年末年始の時間を使って一年の人間関係を振り返り、「自分たちが本気で感謝している人物」をリストアップすることが恒例になっているという。

起業から月日が経つにつれ、毎年継ぎ足したリストの約7割は投資家や起業家といった新たな出会いで占められるようになったが、残りの3割には今も地元の親友や福祉施設の職員たちの名が並ぶそうだ。二人は「感謝リスト」に並ぶ人に対して、たとえ自分たちに利益がなかろうと、この人たちが困っている時には真っ先に駆けつける覚悟を持って向き合っていると口を揃える。

文登が、自分たちを支える存在として、家族やメンバーと共に「福祉業界の皆さん(Q5)」と答える背景には、ヘラルボニー自体が既存の福祉現場の営みがあって初めて成立している、という自覚がある。彼らにとって福祉施設は単なる取引先ではなく、共に新しい文化を創り上げる運命共同体だ。その根底には、幼少期からルーティーンとして毎週末家族で、兄と一緒に福祉施設へ通っていた関係性がある。

「福祉施設の現場で作家たちを支える方々には、私たちが教えていただくことばかりです。だからこそ、ヘラルボニーがビジネスの最前線で挑み続けることは、単なる自社の成長のためではなく、その熱量を福祉業界全体へと還流させるための試みでもあります。本気で挑戦し続けることで、自分たちを豊かにするだけでなく、それが呼び水となって福祉領域の雇用を創出し、社会的地位を底上げし、ひいては日本全体の豊かさをアップデートしていくことに繋がる。その挑戦のプロセスから得られる手応えこそが、僕たちにとっての最大の報酬です」(文登)

そんなヘラルボニーは、より壮大な未来像を描いている。

文登が構想するのは、障害の有無に関わらず、多様な個性が当たり前に混ざり合う空間の実現だ(Q10)。それは、福祉を「支援が必要な特別な場」から「誰もが心地よく存在する日常の風景」へと社会実装する挑戦でもある。かつて兄と共に週末を過ごした施設の記憶を、現代のビジネスとデザインの力でアップデートするこの試みは、福祉のあり方を根本から再定義するものとなるだろう。

ヘラルボニーという「一冊の本(Q11)」の執筆者だと答えた崇弥は、何かに取り組む際、1冊の本としてヘラルボニーの物語を読んだ際に面白いものになっているかどうかを考えるという。

「うちは『未来に残れる可能性があるブランド』という自負があります。今の苦労も、大きな提携も、すべては後世に語り継がれるべき物語の中の一章です。アーツ・アンド・クラフツ運動やバウハウスのように、何十年も経った後に、ヘラルボニーによって福祉業界を変えるムーブメントが起きたと語り継がれ、僕たちの思想が世界中で評価されたら最高だなと思います」(崇弥)

Q7で語られたように、彼らにとって仕事とは「人生を豊かにしてくれるもの」であり、自らの人生を懸けて紡いでいく作品そのものだ。二人が共通して示した「幸せ=挑戦」(Q2)という在り方は、それを如実に示している。そして、今日もまた二人は異彩を放つ挑戦を続けている。


挑戦し続ける経営者たちは輝く

松田兄弟に限らず、世の中の経営者や起業家たちは常に挑戦し続けている。人と出会い、ビジネスを加速させ、ときには未来のビジョンを語り合う。大変な苦難にぶつかることも多いが、出会った仲間たちと共にチャレンジすることは、ほかには代えがたい楽しみが報いてくれるだろう。

 アメリカン・エキスプレスは、自身のビジネスがもっと輝くよう挑戦を続ける経営者たちを応援し続けている。例えば、経費管理の効率化や時間の有効活用、国内外の移動が多い場合でも出張先でのコンディションを保つサポート、ネットワークを広げるビジネスマッチングなどはビジネス・カードを通して。未来への糧となる気づきやインスピレーションは、ウェブマガジン「BUSINESS CLASS」を通して力強く支える。


まつだ・たかや◎ヘラルボニー代表取締役Co-CEO。 2018年双子の兄・文登と「ヘラルボニー」を設立。小山薫堂が率いる、企画会社オレンジ・アンド・パートナーズのプランナーを経て独立。

まつだ・ふみと◎ヘラルボニー代表取締役Co-CEO。営業を統括し、岩手を拠点に活動する。岩手のゼネコン会社で被災地の再建に従事したのち、崇弥と共にへラルボニーを設立。

Promoted by アメリカン・エキスプレス / text by Michi Sugawara / photographs by Yutaro Yamaguchi / edited by Miki Chigira