「“ゲームのない任天堂”をつくりたい」クリエイターもにゃの挑戦 │20 HOT CREATORS

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Forbes JAPAN 2026年3月号は「20 HOT CREATORS 進化するクリエイター経済」特集。本稿は、本特集内の記事の転載である。


2024年に公開されたChrome拡張機能「ネッコサーフィン」。インストールするとマウスカーソルに反応しページ上にネコが集まるだけの機能だが、Xやテレグラムで世界中に拡散されて話題になり、1週間後には10万ダウンロードを突破した。 

ネッコサーフィン【PV)】

制作者のもにゃは、PCのエラーダイアログのデザインを施した「エラートランプ」や、PCで「応答なし」になった際の白くモヤがかかった状況をデザインしたクリアファイル「フリーズファイル」などのプロダクト、マクドナルド「いまだけ月見食べ美」(25年9月公開)、Snow Man「嫉妬ガール」のMV(25年12月公開)などのアニメーション、インターネットコンテンツやゲームまで手がけるディレクター。いずれも遊び心のあるクリエイティブが特長だ。

「クリエイティブは自分にとって社会とつながるための手段。だからこそ、作品を通して他人や社会とどんなコミュニケーションをとれるかを考えて企画しています。ネガティブな感情から着想した企画であっても、最終的なアウトプットはチャーミングさを大切にしているんです」

25年12月に公開されたSnow ManのMV「嫉妬ガール」では企画・監督を務めた

おもちゃ箱づくりに挑戦

そんなもにゃが今注力しているのが“おもちゃ箱”づくり。

これまでのようにひとつの企画につきひとつのアウトプットをするのではなく、キャラクター、アニメ、ゲーム、グッズなどをおもちゃ箱のように複合的にまとめたオリジナルの世界観IPだ。展示やイベントなど立体的な展開を見据えたプロジェクトで、多様なスキルをもつ自身のバックグラウンドを生かした挑戦となる。26年内のローンチに向けて、まずはおもちゃ箱の世界観の「起点」となるゲーム機のデザインを制作する。 

「一歩目として“ゲームのない任天堂”をつくりたいんです。スタート時には実際にプレイできるゲームソフトはないけれど、ゲーム機やカセット、キャラクター、グッズなどワクワクするようなブランドは実在させる。ゲームのティザー動画も出す予定なので、その反響次第で実際にゲームを開発するという順番にしたいと思っています」

情報が氾濫する時代に「新しい体験」と「没入」を生みだすクリエイティブの価値に引かれ、これまでにさまざまなコンテンツを手がけてきたもにゃ。特にゲーム開発に関しては開発コストによる制作ハードルの高さを実感してきた。そこで、企画段階から積極的なアウトプットを優先してコミュニケーションに比重を置けばいいと考えた。

「ゲームに限らず、今は体験してから楽しいと感じるだけでなく、体験する前から楽しい前に“楽しそう”であることや、その奥にある文脈を強く求められる時代です。なので、ユーザーとの早期からのコミュニケーションを通して、ユーザーに企画やつくり手の意思に触れてもらい、共感され共創される仕組みをつくりたい」。固定観念を壊すこの挑戦は、クリエイター経済に風穴を開けるか──。

文=田中友梨

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