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2026.03.24 11:00

ものづくり王国・愛知が挑む「イノベーションによる地域課題解決」──革新事業創造戦略の現在地

我が国随一の「ものづくり王国」として確かな実績を積み上げてきた愛知県。近年は、「Aichi-Startup戦略」と社会課題解決を軸とした「革新事業創造戦略」を両輪にイノベーション・エコシステムの構築に励んできた。そして今、その取り組みは次の段階へと進もうとしている。マッチングや実証にとどまらず、社会実装まで見据えた事業創造へ。愛知県経済産業局革新事業創造部イノベーション企画課のフロントランナーたちに話を聞いた。


圧倒的な産業集積を誇る愛知が挑む、次なるエコシステム

2024年の製造品出荷額等で約55.6兆円(速報値)を記録し、48年連続で全国第1位となることが確実となった愛知県。各国のイノベーションの能力を測る国際指標である、世界知的所有権機関(WIPO)による最新の「GII 2025」では、日本が「Production and export complexity(生産および輸出の複雑性)」で世界1位を獲得した

これは高度な産業構造と代替困難な技術蓄積を示す指標、いわば「産業の知能指数」である。この中核には、間違いなく愛知の産業集積が存在しているだろう。

しかし、こうした実績に安住せず、愛知県は次の成長に向けて動いてきた。

強固な既存産業の力とスタートアップを結びつけるべく、2018年には「Aichi-Startup戦略」を策定。24年10月には、約1,000社が参画する国内最大級のスタートアップ支援拠点「STATION Ai」を名古屋市にオープンさせるなど、新たなイノベーションのコアとなる仕掛けを着々と整備してきた。

そして、この「Aichi-Startup戦略」と両輪をなすもうひとつの戦略が、次なるフェーズへと大きく動き出そうとしている。社会課題解決と地域活性化を目指す「革新事業創造戦略」のアップデートだ。

ものづくり王国・愛知は今、歴史ある産業基盤を土台に、社会実装まで見据えた次世代型イノベーションへと歩みを進めている。

「両輪」として駆動する戦略、そして次のフェーズへ

「Aichi-Startup戦略」に基づいて「STATION Ai」の整備が進むなか、愛知県は22年12月に「革新事業創造戦略」を打ち出した。

革新事業創造部 イノベーション企画課の戦略企画・運用グループ主任である加藤僚真が、その狙いをこう説明する。

「愛知県に集積する産業の力を生かしながらスタートアップ・エコシステムを形成していく『Aichi-Startup戦略』とともに、『革新事業創造戦略』によって社会課題解決と地域活性化を図るイノベーションを創出する。

このふたつの戦略を両輪として回すことで、愛知発のイノベーションを持続的に生み出していく。そして、その中心的役割を担う国際イノベーション拠点『STATION Ai』のさらなる充実を図っていく。この有機的な連携を加速させるのが愛知の戦略です」

加藤僚真◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課の戦略企画・運用グループ主任
加藤僚真◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課の戦略企画・運用グループ主任

そして、その「革新事業創造戦略」の中核となるのが、産学官金の多様な主体から提案を募る「革新事業創造プラットフォーム(愛称:A-IDEA)」を通じて社会実装まで導く仕組みだ。

有識者で構成される革新事業創造戦略会議が中心となって提案を精査し、有望な案件は、事業化に向けてワーキンググループなどで具体化を図っていく。すでに、いくつかのプロジェクトが実証実験のフェーズに入っているという。

着実に成果を積み上げてきた愛知県だが、愛知県はそこで立ち止まるつもりはない。イノベーション企画課 課長の上原智史は、こう語る。

「A-IDEA(アイディア)には多くの提案が寄せられ、実証実験のフェーズに入っているプロジェクトも確かにあります。しかし、私たちは、これで満足しているわけではありません。今の愛知県に必要なのは、マッチングで終わらず、PoCや実証実験などの検証段階で止まらず、実際に製品化・サービス化して社会実装にもっていくためのサポートではないかと考えています」

せっかく生まれた協業プロジェクトや革新的なアイディアを検証段階で終わらせない。

イノベーションを単なる「先端技術の導入」ではなく、既存の産業構造や社会の仕組み自体をバージョンアップさせる力として再定義し、地域社会に根付かせる事例を積み重ねていかないと、イノベーション・エコシステムは始まらないのだと、上原は熱く強調した。

上原智史◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課 課長
上原智史◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課 課長

革新事業創造部 イノベーション企画課の課長補佐である夫馬昌芳が続ける。

「あるプロジェクトで生まれた成果が、きちんと地域に根差す。そのプロジェクトでもたらされたイノベーションが、地域に仕組みとして根差していく。私たちは、それを社会実装と考えています。

ひとつの社会実装があらゆるステークホルダーを巻き込んで地域の仕組みとして根付き、そのことによって社会がより良い方向へと動いていく。そうした動向が刺激となって次々に他の産業や地域においてもイノベーションが創発され、エコシステムが形成されていく。このような未来が愛知県に、さらには日本全体に訪れることが望ましいと考えています」

夫馬昌芳◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課の課長補佐
夫馬昌芳◎愛知県 経済産業局 革新事業創造部 イノベーション企画課の課長補佐

愛知の底力を起点にして日本がより良い方向へ

愛知県のこれからの取り組みについて、加藤が展望を語る。

「『革新事業創造戦略』の策定から3年を経て、この26年度からは『革新事業創造戦略 Ver.2.0』が始動します。もともと、『革新事業創造戦略』はスタートアップのみを対象としたものではありません。大企業から中堅・中小企業、さらにはスタートアップまであらゆる主体に門戸を開いています。

また、これまでは7つの重点政策分野を掲げて提案を受け付けてきましたが、今後は分野を限定することなく、あらゆる分野のプロジェクトを支援していきます。そして、有望な案件に支援リソースを集中的に投下し、社会実装支援の実効性を上げていきます」

夫馬が解説を加える。

「社会実装支援の実効性を上げていくために、26年度からはA-IDEAのフレームワークを刷新します。『STATION Ai』というリアルな場を活用しながらオンラインとオフラインが融合した支援拠点として強化するのはもちろん、イノベーションの社会実装の確度を上げるべく、『A-IDEAセレクト』や『A-IDEAアドバンス』といった取り組みを始めることで、その機能を強化していきます」

〈革新事業創造プラットフォーム「A-IDEA」の支援フレームワーク〉

プロジェクト創出期や仮説検証段階の案件に対して重点的な支援を提供するため、「A-IDEAセレクト」として認定する取り組みを26年度から創設。「A-IDEAセレクト」のなかから社会実装が有望な案件について「A-IDEAアドバンス」に認定する取り組みは、27年度から始まる。
プロジェクト創出期や仮説検証段階の案件に対して重点的な支援を提供するため、「A-IDEAセレクト」として認定する取り組みを26年度から創設。「A-IDEAセレクト」のなかから社会実装が有望な案件について「A-IDEAアドバンス」に認定する取り組みは、27年度から始まる。

そして、上原が指針を示す。

「『A-IDEAセレクト』や『A-IDEAアドバンス』に認定する際の評価ポイントは『価値の新しさ(革新性)』『社会的意義(必要性)』『社会実装力(事業性)』という3つになります。

全国初、地域初、または他に類例がない独自性を有しているか。社会・地域の課題解決につながるか。プロジェクトの実行に必要なステークホルダーが特定され、主要なプレイヤーと関係性が構築され、プロジェクトが推進・発展する見込みがあるか。

各プロジェクトの熟度に応じて、これら3つのポイントを、事業化のレベルまで高められるように、私たちは的確な伴走支援を展開していきます。例えば、さまざまなステークホルダーを巻き込んでいく体制づくりなどから一緒に汗をかいていきます」

単なる審査ではない。共創であり、共闘である。

医療・福祉、地域交通、環境、防災。これらの課題は、一地域の問題ではない。もし愛知で、社会実装まで到達する革新的なサービスやソリューションが次々と生まれ、地域に根づいていくなら——その成功モデルは全国へと波及する。

48年連続全国1位という産業基盤。世界水準の技術集積。そして、社会実装までやり切る覚悟。愛知はいま、ものづくり王国から「社会変革のエンジン」へと進化しようとしている。

その底力が、我が国の未来を照らす光になる日も、遠くはない。


愛知県
https://www.pref.aichi.jp/
A-IDEA
https://a-idea.pref.aichi.jp/

Promoted by eiicon / Text by Kiyoto Kuniryo / photographs by Takao Ota / edited by Akio Takashiro