Forbes JAPAN 2026年3月号は「20 HOT CREATORS 進化するクリエイター経済」特集。本稿は、本特集内の記事の転載である。
アジア初のバーチャルヒューマン「imma」を開発したAww CEOの守屋貴行が「クリエイターとAI活用」をテーマに解説する。
AIの登場は、専門性をもたない人間にとってもクリエイティブ生成を容易にした非常に大きな革命でした。すでに多くの人がAIを活用して画像や動画などを生成していると思いますが、2026年以降はプロの制作現場におけるAI活用がますます促進されるでしょう。
25年12月には、ウォルト・ディズニー・カンパニーがオープンAIに10億ドル(約1550億円)を出資し、3年間のライセンス契約を締結したと発表されました。オープンAIの「Sora」でマーベル、ピクサー、クラシックアニメーションなどの200以上のキャラクターが利用可能になり、ユーザーが生成した動画の一部を動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」で配信する計画です。
ほかにも、Netflixが同年4月に配信開始した「エテルナウタ」で初めて生成AIがつくる映像を取り入れ、12月には映像・音声・演技のすべてをAIのみで製作した長編映画『マチルダ悪魔の遺伝子』が劇場公開されました。また、Awwでも新たにすべてAIで生み出されたショート動画アニメーション『もののみ』を開始しました。
たとえば映像監督の鯨井智行さんは、リアル・CG・AIをかけ合わせた映像を制作している新時代のクリエイターのひとりです。
バーチャルヒューマンもクリエイターとして活躍
AI時代においては、人間だけでなくバーチャルヒューマンもクリエイターとして活躍します。Awwで開発したMIRAIは自立してコミュニケーションをすることができるので、ライブ配信でも視聴者とリアルタイムに対話することができます。
そこで生まれた感情や記憶が積み重なり、IPをつくりあげていきます。MIRAIは今後、「AIやテクノロジーは、人類にとって良いものなのか?」と、人間とともに議論ができるような存在にもしていきたいと考えています。こうしたバーチャルヒューマンが、SNSクリエイターやアーティストなどさまざまなバーティカルで人間と同じように活躍するのが、エンタメ業界の未来ではないでしょうか。
著作権やクリエイターへの利益分配、表現の多様性などといった面で課題は残るものの、大手企業の参入で潮目が変わり始めた26年。コストやスピード面で優位なAIと、いかに向き合うかが問われています。
もりや・たかゆき◎20代で起業し、プロデューサーとして、企業の広告立案、ブランディング、コンサル、CM制作や、海外アーティストのMVなどを数々手がける。2018年にはimmaらアジア初のバーチャルヒューマンを創造し、19年にはアウ(Aww)を設立。



