インフルエンサーマーケティングの予算が増加しているにもかかわらず、ブランドや代理店はいまだにインフルエンサーやその担当者から音沙汰がないままだ。
私は毎週およそ50通のパートナーシップ関連のメールを削除している。ロサンゼルスからニューヨーク、ナッシュビルまで、各地の代理店に所属する同業者たちも同様だ。タイミングの問題でも、忙しすぎるわけでもない。ほとんどのメールは、読み終える前に基本的な信頼性チェックで不合格になる。
よくあるミスには一貫したパターンがあり、そして何より避けられる。私たちが削除ボタンを押す理由はこれだ。
ミス1:メールが「スパム」だと叫んでいる
いいか。私たちは信頼性を瞬時に判断する。受信トレイでまず目に入るのは、メールアドレスと件名だ。それらをクリアすればメールを開く。次に署名と挨拶文を確認する。この一連の作業にかかる時間は、ほんの数秒だ。
Handle Talent Agencyのオマール・クルーズによると、彼のチームは送信者のメールアドレス、文面のプロフェッショナルさ、そして不必要な緊急性を感じさせないかどうかを即座に評価するという。しかし、信頼性が本当に表れるのは署名の部分だ。「署名に何が含まれているか、あるいは何が欠けているかで、その企業の信頼性やパートナーシップに対する姿勢が如実にわかることが多い」
危険信号はいつも同じだ。Signature Talentsのエリック・グエンは端的にこう述べる。「もう1つの危険信号は、ブランドの代理だと名乗りながら、ビジネス用ではないドメインからメールを送ってきたり、記載されている会社のウェブサイトが機能していなかったりするケースだ。私は送信者が本当にその会社の従業員かどうかをLinkedInで確認している。この業界でのフィッシングは現実の脅威だ」
そして彼が警戒心を持つのは正しい。私自身、実在するブランドを騙った偽の営業メールを何度も目にしてきた。
不完全な署名も致命的だ。ファーストネームだけで、肩書きも会社名もない署名では、その人物が正当な担当者かどうか確認のしようがない。
テンプレート感丸出しの挨拶文も即座に見抜かれる。Claudine Public Relationsのニッキー・クロディーヌはこうした例を頻繁に目にするという。「最大の危険信号は、『Hi dear(親愛なる方へ)』で始まったり、インフルエンサーの名前すら使っていない、一斉送信の定型メールだ」
「チーム一同」名義で署名されたメールは、即座に疑念を抱かせる。個人名を出さないのは、契約条件に問題があるか、支払いが履行されない可能性があることを本人が自覚しているからであることが多い。私たちはこのパターンを見分けられるようになっている。
InstagramのDMも同様に問題がある。最初の連絡にはプロフェッショナルなメールを使うべきだ。個人アカウントはもちろん、ビジネスアカウントからのDMでさえ、「非表示のリクエスト」に振り分けられて目に触れないことが多い。
ミス2:下調べをしていない
先月、あるスキンケアブランドが私のクライアントの1人にアンチエイジングフェイスクリームの案件を持ちかけてきた。
状況を説明しよう。彼は26歳の男性で、チャレンジ動画や旅行動画を制作している。視聴者も若い男性だ。スキンケアについて言及したことは一度もない。300本の動画で一度も、だ。
そのブランドは、髭を剃り始めたばかりの視聴者層に向けて、彼にシワ取りクリームを売らせようとしたのだ。
ニッキー・クロディーヌも同じパターンを見ている。「インフルエンサーへのメールが無視されるのは、自動送信っぽく感じるからではない。ミスマッチだと感じるからだ。インフルエンサーの視聴者層やポジショニング、長期的なブランドストーリーを明確に理解せずに提案してくるブランドは、リサーチ不足を露呈している」
こうしたケースは日常茶飯事だ。男性クリエイターにランジェリーブランドが売り込んでくる。サステナブルな生活で長年かけて信頼を築いてきたウェルネス系インフルエンサーにファストファッション企業がアプローチする。誰も聞いたことのないサプリメントブランドが、オリンピックレベルのアスリートにキャリアを賭けさせようとする。
怠慢だ。そしてそれは一目瞭然である。
クリエイターがそのカテゴリーの製品を使っていなかったり、ブランドが無名すぎて信頼性を担保できなかったりする場合、クライアントの信用を危険にさらすことはできない。
Claudine Public Relationsのナサニエル・クック・ジュニアはこの変化をこう表現する。「問題は量ではない。クリエイターエコノミーがいかにプロフェッショナル化したかを理解しているかどうかだ」
私たちには違いがわかる。下調べをしているブランドは、具体的なコンテンツに言及し、クリエイターが何を大切にしているかを理解し、誰が視聴しているかを把握している。それ以外は削除だ。
ミス3:ビジネス取引として扱っていない
Z Star Digitalのローラ・フィリポウィッツはこうした状況を頻繁に目にする。「有料キャンペーンでクリエイターと協業する価値を理解していないブランドがある。無料の商品だけを提供し、それと引き換えに、商品価値をはるかに上回る労働を求めてくる」
その認識のズレは驚くほど大きいことがある。
今週──文字通り今週の話だが──私のクライアントの1人に対して、TikTokのカスタム動画1本に200ドル(約3万円)を提示するメールが届いた。200ドルだ。フォロワー100万人、動画あたり平均20万再生を誇るクリエイターに対してである。
本人に見せたところ、彼は笑った。そして額に入れて飾れないかと聞いてきた。
こうしたオファーは断られるだけではない。記憶されるのだ。
報酬の問題だけでなく、透明性の欠如も交渉が始まる前に案件を潰す。ニッキー・クロディーヌはこう説明する。「業務範囲の定義がない、使用条件がない、スケジュールがない、予算の目安がない、ギフティングなのかアフィリエイトなのか有料案件なのかが不明確──こうした状態では、真剣さが感じられない。真剣なブランドは、透明性を最初から示すことでクリエイターの時間を尊重する」
ミス4:全員の時間を無駄にしている
私たちは時間を無駄にする代理店を覚えている。同じ会社から何度も、まとまらない案件や成約に至らない案件を持ちかけられれば、もうそのメールは開かなくなる。労力に見合わないからだ。
もう1つの大きな時間の無駄は、クリエイターにキャンペーンへの「応募」を求めるメールだ。これらは多くの場合、案件に見せかけたデータ収集である。本気の予算を持つ正当なブランドは、リサーチ済みのクリエイターに直接オファーを出す。応募を募る一斉送信などしない。
信頼性のないアプローチを繰り返すパターンが確立されてしまえば、どれだけ体裁を整えてもメールは開かれなくなる。
解決策:実際に効果があるアプローチ
では、実際に効果があるのは何か。
実はそれほど複雑ではない。インフルエンサーへのアプローチを、本当のビジネス開発として扱えばいいだけだ。壁にスパゲッティを投げつけて当たりを待つような手法ではなく。
The Machineのケビン・エレーラは率直に語る。「クリエイターは毎日大量の情報に晒されている。駆け引きに付き合う時間はない。件名に要件を書くべきだ。『予算X円でY本の投稿依頼。ブランド承認済み』というように」
要件は最初に提示すること。予算、成果物、スケジュールを明記する。完全な署名を添えたプロフェッショナルなメールアドレスを使用する。報酬と条件については最初から透明性を持つ。クリエイターが制作した具体的なコンテンツに言及し、なぜその人が適任なのかを説明することで、リサーチ済みであることを示す。
返信を得られるブランドは、アプローチをパートナーシップの提案として扱い、一斉送信のようには扱わない。クリエイターの視聴者層を理解していることを示し、報酬を明確に提示し、プロフェッショナル同士のビジネス取引であることを伝えている。
最安値を狙うのではなく、最適なマッチングを見つけることに集中すべきだ。エレーラはこう言う。「最安値を取ろうとするな。最適なマッチングを見つければ、それが勝利につながる」
InstagramのDMを使うなら、正しいやり方で行うこと。可能であれば認証済みのビジネスアカウントを使う。まずクリエイターの最新投稿にコメントする。シンプルに「パートナーシップについてご一緒できればと思います。詳細をDMでお送りしました」といった内容でいい。これにより正当性が示され、メッセージが「非表示のリクエスト」に埋もれずに見てもらえる可能性が高まる。
クリエイターエコノミーは、プロフェッショナルで収益重視の産業へと成熟した。この現実を反映していないアプローチは、今後も無視され続けるだろう。



