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2026.03.18 18:00

なぜ恋すると「口先だけの未来」に惹かれてしまうのか? 愛着理論で紐解く、陶酔と依存の心理メカニズム

Shutterstock.com

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交際を始めると未来が驚くほど明るいものに感じられることがある。それは単に相手のことを知ろうとしている段階ではなく、休暇の計画や一緒に暮らすアパート、共同の銀行口座、飼う犬、引っ越す街、そして相手と一緒にいる将来の自分まで想像している段階でもある。

時にはそうした未来図が、付き合い初めて3週間ほどで「永遠」を語るような相手によってさらに明確なものになることもある。このようなパターンは往々にして「フューチャーフェイキング」と呼ばれる。

フューチャーフェイキングとは、ふたりが共有する未来について大きな約束をしながら、それを実行する意思・準備・能力が伴わないことを指す。私たちは本能的にフューチャーフェイキングを単なる欺瞞と決めつけがちだが、そうした説明は十分ではないかもしれない。なぜなら、もしそれが単なる欺きであるなら、語られる側も語る側にもこれほどまでに陶酔の感覚を与えるはずがないからだ。

もしあなたがフューチャーフェイキングのパターンが明らかになってもなお、なぜフューチャーフェイキングをする人に魅力を感じ、離れるのが難しいのかと思っているなら、その答えは愛着理論にあるかもしれない。フューチャーフェイキングがほとんど依存症のように感じられる、愛着理論に基づく3つの理由を解説しよう。

1. 愛着不安を一時的に和らげる

密接な結びつきが気持ちを調整するのに大いに役立つことを示す研究は、数多くある。これは、安定した親密な関係を持つ人は、そうでない人よりも心理的な幸福度が高いことが多いためであり、人間は近しい人を通じて安全と結びつきを求めるようにできているという愛着理論の主張と一致している。誰かがあなたとの長期的な未来について自信を持って語るとき、あなたの愛着の仕組みはそれを安全と解釈することが多い。

特に愛着スタイルが不安型傾向の人にとって、この安心感は非常に強力かもしれない。不安型の愛着スタイルは拒絶に対する過敏さと、「自分は本当に選ばれているのだろうか」という疑問がつきまとうのが特徴だ。

もしこうした疑問を絶えず抱いているなら、「こんな気持ちは初めてだ」「結婚する私たちの姿が想像できる」といった未来志向の言葉は、その不確実性を一時的に消し去るかもしれない。神経系はようやくリラックスし、以前は脅威のように感じられた曖昧さが突然消えたりする。

だが、そうした約束があってから遅い返事や感情的な距離、曖昧な態度など一貫性のない行動が続くと、愛着システムは再び作動する。それも、以前より強力に作動することが多い。

こうして、活性化と安心のサイクルが生まれる。報酬の変動性に関する研究は、予測不可能な報酬が、安定した報酬よりも持続性と関与を強化することを明確に示している。つまり、強い安心感を与えられるが、それが時々しかない場合、脳の報酬学習システムは特に強く反応する。そのため、気持ちを引き離すことが驚くほど難しくなる。

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翻訳=溝口慈子

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