AI(人工知能)、ビッグデータ、自動化が文明に深く統合されていく「スマートマシン」の時代は、すでに本格的に進行している。多くの人は、何らかの形で適応を迫られることを理解している。しかし、この新しい世界で自分自身や子どもが活躍するために、どのように備えるべきかは明確ではない。
ホワイトカラーの仕事が、初級職を含めて消えていくなか、機械に簡単には委ねられない仕事に改めて目を向ける人が増えている。そこで浮上するのが技能職であり、これが突如として大きな魅力を帯びてきた。
AIに取って代わられるどころか、多くの技能職分野では人材ニーズが拡大している。職業教育サービスを提供するAncora Educationの社長兼CEO、ジョン・バーンズはこう語る。「米労働統計局は主要な職業訓練職種で堅調な成長を引き続き予測している。2024年から2034年にかけて、HVAC(空調・冷凍設備)の雇用は8%増、電気工は9%増、配管は4%増と見込まれている」
技能職は数十年にわたり否定的な固定観念に悩まされてきたが、第一志望のキャリアとして再評価されつつある。しかもZ世代に限った話ではない。筆者は最近バーンズと連絡を取り、この復活の背景と、テクノロジー主導のこの時代にブルーカラーのキャリアがなぜこれほど魅力的なのかを話し合った。
技能職にとってAIはライバルではなく、強力なパートナー
技能職のキャリアが持つ雇用の安定性は、これらの分野を改めて検討する理由の上位に挙げられる。「現時点でAIは、対面でのトラブルシューティングや施工、修理を提供できない」とバーンズは言う。「たとえば分電盤のサーキットブレーカーの交換や、老朽化したエアコンプレッサーの更新などだ。技能職の担い手は現場に立ち会い、商業・住宅いずれの顧客に対しても不可欠なハンズオンのサービスを提供しなければならない」
AIが熟練技術者を置き換えられないとしても、彼らの仕事と無関係というわけではない。「一部のテクノロジー、分析、デジタルセキュリティ系のキャリアでは従業員そのものを置き換えているのに対し、技能職ではAIはあくまで複数あるツールの1つとして活用されている」とバーンズは語る。「AIプラットフォームは資材の調達や価格算定、見積書、請求書の作成を、より速く効率的に行う助けになる」
日々の業務で安全基準に容易にアクセスでき、整合性を保てるようにするうえでもAIには役割がある。高度な活用では、空港やその他の商業空間における煙の拡散といったより良い安全シミュレーションの支援も担うようになるだろう。
AIは、技能職の働き手にとって「代替」ではなく強力なパートナーとなる見通しだ。不安定な雇用環境において、それは魅力的な要素である。



