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2026.03.08 22:53

なぜネットワーク近代化がAI成長の起爆剤となるのか

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Written By Jason Compton / Edited By Mallory Gafas

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新興スタートアップからグローバル企業まで、あらゆる規模の企業が効率を高め、新たな成長機会を開くためにAIを急速に取り入れている。Forbes Researchによれば、Cスイートのリーダーの過半数が、機械学習や生成AIといったツールをすでに組織全体に統合していると答えている。しかし、こうしたテクノロジーのインパクトは一様ではない。

それは、AIソリューションが成功するには、複数のソースとの間で大量のデータを高速に送受信できなければならないからだ。企業のネットワークインフラに、これほどのデータトラフィックを処理する能力がなければ、ますます複雑化する最新のAIアプリケーションの有効性は損なわれる。

「エージェント型AIアプリケーションの登場によって、ネットワークにはより大きく、より継続的な需要が生じている」。Spectrum Businessでプロダクトおよび戦略担当バイスプレジデントを務めるスコット・キャセルはこう語る。「その結果、あらゆる業種において、ネットワークは事業運営のあり方にとってますます重要になっている」

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AIが進化し、要件が拡大するにつれて、高度な接続性と、信頼でき、最新で、安全なネットワークインフラは、イノベーション施策が成功し、スケールし、収益性を持つための要件になりつつある。だからこそ、ネットワークの近代化は、あらゆるAI中心の戦略において不可欠である。データとユーザーリクエストを安全かつ高速に流通させることで、新たなワークロードを正確さとスピードの両面で管理できる。

しかし、すべての企業がAI支援のためにネットワーク容量を全面的に見直す大規模な設備投資を行えるわけではない。マネージドサービスとの提携は魅力的な代替案になり得る。経験豊富なインフラパートナーを通じたネットワーク近代化は、ITコストのより多くを運用費(OPEX)へ移し替え、AI活用イノベーションに資本を振り向けることができる。

「それは投資保護につながる。アプリケーションがより複雑になり、関連するサイバー脅威が拡大していくなかで、マネージドサービスのソリューションはそれらとともに進化し、成長していくからだ」。キャセルはそう説明する。

以下では、近代化されたネットワークがAI施策の恩恵をどのように増幅し、どの規模の組織においても新たな成長をどのように促進し得るのか、その5つのポイントを見ていく。

#1: 高速接続が摩擦のないAIを実現

AIのワークロードは、時間とともにより複雑化し、データ集約型となり、接続性への依存が強まっている。大規模言語モデルに小規模なタスクで取り組み始めた初期には十分だったネットワークインフラでも、次世代のAIニーズには十分に対応できない可能性がある。

「エージェント型AIアプリケーションの登場によって、ネットワークにはより大きく、より継続的な需要が生じている」とキャセルは言う。

現代の光ファイバーネットワークは、リアルタイムのエージェント型AIが求める超高速と低遅延を提供できる。また接続が速くなることで、より多くの人材をAIボットやエージェントと結び付ける自由度も高まり、生産性を引き上げる手段を、より広い層が利用できるようになる。

#2: 大容量帯域幅がより優れたAIにつながる

AIツールはしばしば、膨大なデータ量を猛烈な速度でやり取りする必要がある。しかし多くの組織はいまだに、何十年も前のITインフラに苦慮している。IHL Groupが公表した調査結果では、回答者の4人に3人近くが、サイバーセキュリティをも上回る最大の課題としてレガシーソフトウェアを挙げた。

AI主導の最新アプリケーションは、レガシーソリューションに比べて指数関数的に多くの帯域幅を消費し得る。したがって、帯域幅の障壁を取り払うことは、より包括的なAIソリューションへの道を開く。

かつて競争力があった外部向け100Mbps(メガビット毎秒)のネットワーク接続ではなく、今日のAI主導の要件は「毎秒数百Gbps(ギガビット)にまで達し得る」とキャセルは言う。

#3: セキュアなネットワークはAIリスクを最小化する

経験豊富なネットワークパートナーと協働し、安全なマネージドネットワークインフラを構築・維持することは、AIアプリケーションがもたらし得る新たな脅威への露出を減らし得る。

適切に管理されたデータ損失防止(DLP)ポリシーは、個人を特定可能な情報、あるいはその他の機微情報がサードパーティのAIモデルへ漏えいする事態を抑制する。また、慎重なネットワークセキュリティパートナーは、シャドーITの運用から守るうえでも役立つ。

AIを活用したコーディングの普及により、シャドーITは、AIが書いたコードを機微なデータに接触させたり、十分なテストなしに本番環境へ投入したりすることを意味し得る。

新たなネットワークセキュリティプロトコルには、人間とAIエージェントの双方が、各アプリケーションやAIツールへどのようにアクセスできるかを含めるべきである。新しいセキュリティ慣行は、社内データベースとAIエージェントの間に責任あるデータフローを生み、適切なワークロードが適切なデータアクセスのもとで実行されることを担保する。

#4: 信頼性の向上はAIの安定稼働につながる

学習モードであれ、個別の問い合わせへの回答であれ、常時稼働のエージェントとしての動作であれ、データへの途切れないアクセスがAIの性能を高める。外部世界への信頼できるネットワーク回線は出発点にすぎない。社内ネットワークスイッチの更新や、Wi-Fiカバレッジの強化も推奨される。

「顧客の拠点では、量子対応のセキュアなネットワークエッジデバイス、より大容量のスイッチを備えたLAN環境を強化し、ネットワークへの増大する需要を支えるために最新世代のWi-Fi 7アクセスポイントを展開する必要がある」とキャセルは言う。

ネットワークサービスプロバイダーと協働することは、自社でアップグレードを管理する際に生じる隠れたコストやリスク(導入リスクを含む)の低減にもつながる。加えて、ネットワークを運用費として扱うことで、財務面の柔軟性も高まる。

「彼らは、最初に多額の設備投資をする必要がない。そして我々は、彼らのネットワークのアップグレードを迅速に完了できる」とキャセルは言う。

#5: 柔軟なネットワークはAIの適応を可能にする

AIのユースケースは急速に進化するため、企業には同じ速度でスケールする柔軟なネットワークソリューションが必要である。ネットワークの近代化は、新たなAI接続性が出現した際に、組織が機会を捉え、先駆者として、またリーダーとして参画できる状態を整える。

マネージドサービスパートナーは、新しいインフラそのものと、時間の経過とともに増大する容量の双方について、安全かつ制御された形で責任を担うことができる。

「データに基づく意思決定を行うことが不可欠だ。したがって、クラウドネイティブでAI主導のネットワーク可観測性(observability)ソリューションを備え、ネットワークおよびセキュリティ分析によって、確かなビジネス上・技術上の意思決定を可能にするサービスプロバイダーと関係を築くべきだ」とキャセルは言う。

この「マネージドサービス×運用費」アプローチは、本来ならサーバールームに投じられていたであろう投資可能資本を解放し得る。

「マネージドサービスがなければ、ネットワーク需要の増加に伴って成長できる能力を確保するために、最初に過剰投資せざるを得ないか、あるいは必要に応じて増分の機器を継続的に購入し続けることになる」とキャセルは言う。

forbes.com 原文

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