経済

2026.03.09 14:00

従業員の4割を解雇、数字が示すジャック・ドーシーの経営危機

Blockのジャック・ドーシーCEO(Frederic Legrand - COMEO / Shutterstock.com)

さらに彼は、話題の後払い(BNPL)分野にも正面から突っ込んだ。2021年8月、株価がピークをつけたころ、BlockはオーストラリアのBNPLフィンテック企業Afterpay(アフターペイ)を、全株式交換で290億ドル(約4兆5700億円)で買収することで合意した。

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「彼の焦点はあちこちに散っているように見えた」と、その元ソフトウェアエンジニアはドーシーについていう。「彼の語るストーリーは1年かそこらで変わる」

こうしたコロナ後の賭けはいずれも、現時点では大きなインパクトをもたらしていないように見える。Afterpayが総売上高に占める割合は小さい。ビットコイン関連事業も、業界全体の暗号資産評価額と歩調を合わせて低迷している。最大の失望はTidalだ。SimilarWebは、Tidalのトラフィックを音楽ストリーミング全体で44位だと示している。デラウェア州の判事は、フロリダ州の年金基金がTidal買収をめぐって提訴した訴訟でBlock側に有利な判断を下す際、この取引を「ひどい経営判断」だと評した。

一方で、Blockの中核である決済ビジネスには負荷がかかっていた。空売り調査会社のヒンデンブルグ・リサーチは2023年、BlockがCash Appのユーザー指標を水増しして投資家を欺き、コンプライアンスにおける「無法地帯」的なアプローチによって広範な詐欺や犯罪行為を助長し、そうした慣行から利益を得ながら成長を誇張していたと主張した(BlockはHindenburgの報告書を「投資家を欺き混乱させることを意図したもの」として退けた)。

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昨年、消費者金融保護局(CFPB)は、詐欺対応とセキュリティ管理の不備があったとされる件をめぐり、最大1億2000万ドル(約189億円)の消費者救済と5500万ドルの民事制裁金を命じた。また、48州による措置では、是正措置を求めるBSA/AML違反として8000万ドル(約126億円)の制裁金が科された。別途、ニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)は、AMLおよび仮想通貨コンプライアンスの重大な不備を理由にBlockに4000万ドル(約63億円)の罰金を科し、独立した監視人の任命を命じた。今回のレイオフで、コンプライアンスと不正対策に注力するチームの人員が大幅に減っているのだとすれば、同社は新たな危険なリスクにさらされかねない。

今後について、ドーシーはBlockの事業は依然として強いと主張し、粗利益の継続的な成長、顧客数の増加、収益性の改善を挙げた。投資家はレイオフを歓迎し、米国時間の3月2日の市場引け時点でBlock株は20%超上昇した。

forbes.com 原文

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