リーダーシップは道を見失っている。パフォーマンス・ダッシュボードと磨き上げられたスローガンの間のどこかで、私たちはリーダーシップから人間味をそぎ落とし、その結果、なぜエンゲージメントが低下し、信頼が損なわれ、成果が持続しにくくなったのかと首をかしげてきた。1つのパターンが、いまや明白になっている。いかに強固な戦略であっても、リーダーシップに、明確さと人間性、一貫性をもって実行する力が欠けていれば、機能不全に陥るのである。
成長期の企業、プライベートエクイティ(PE)支援企業、そして大企業にわたる私の仕事と、同業者との継続的な対話を通じて、仕事の未来に不可欠なリーダーシップの4つの能力が一貫して浮かび上がってきた。粘り強さ(grit)、品格(grace)、成長(growth)、パートナーシップ(partnership)である。
これは「理想的な資質」ではない。相互依存する訓練領域であり、たった1つでも欠ければ、リーダーシップは崩れる。
粘り強さと品格の相互作用
多くの組織は、粘り強さを備えた人々に率いられている。実行を推し進め、成果を求め、高い基準を維持するリーダーである。一方で、品格をもって導く人々もいる。チームを深く思いやり、共感、包摂、ウェルビーイングを重視するリーダーだ。しかし、どちらか一方だけでは、大きな問題を引き起こしかねない。
粘り強さはあるが、品格がない
表面的には、粘り強いリーダーは有能に見える。だが、その内側では、何か腐食的なものが広がっていく。粘り強さだけが先行すると、信頼を犠牲にして成果を追い求めたり、明確さではなく恐れによって説明責任を果たさせたりする形で現れることがある。率直さは人を切り捨てる態度に変わり、心理的安全性の文化がないまま成果への圧力だけが高まり、チームメンバーは支えられている感覚を失う。
粘り強さ主導のリーダーシップは短期的な結果をもたらすかもしれない。だが代償として、心を折られ、疲弊した人材と、薄れていく忠誠心が残る。やがて、自発的な努力は消え、イノベーションは停滞し、離職は増える。とりわけハイパフォーマーでそれが顕著だ。
品格によるバランスを欠いたまま粘り強さに偏ると、リーダーは最終的に、人のおかげで成果を出すのではなく、人がいるにもかかわらず成果を出す状態を生み出してしまう。
品格はあるが、粘り強さがない
品格をもって導く人々は対人関係の力学に長けている。一方で、不快な状況が生じると、真実を和らげ、決断を先延ばしにし、説明責任そのものを避けがちだ。そのため、チームメンバーは大切にされていると感じるものの、次第に緩みが生まれ、期待値は曖昧になっていく。すると、基準と明確さが消えたことで、ハイパフォーマーは苛立ちを募らせる。結果として、共感を育むはずだった「品格あるリーダーシップ」が、卓越性を損なう。
粘り強さを欠いた品格は、居心地のよさを文化だと取り違える。勇気を欠いた親切は、守ろうとする相手を裏切る。
なぜ両者なくして成長は不可能なのか
粘り強さと品格が結びついていない場所に、成長は存在しない。粘り強さだけでは人を硬化させ、品格だけではシステムを弱体化させる。真のリーダーシップの成長は、人が認められていると感じ、説明責任を求められ、尊厳をもって扱われるときに起こる。そのためには、リーダーが、率直で人間味のあるフィードバックと明確な基準を示さなければならない。粘り強さと品格のバランスが取れることで、説明責任は力を与えるものになる。結果として、パフォーマンスは向上する。人を犠牲にしてではなく、人のおかげで向上するのだ。
成長はプログラムではない。日々、リーダーシップが適切に実践された結果として生まれる。
パートナーシップ:機能させるための増幅装置
2026年を形づくると私が予想する最後のリーダーシップ能力は、パートナーシップである。これは、他の能力をスケールさせるための仕組みだ。
複雑で動きの速い組織において、指揮命令型のリーダーシップの時代は有効ではない。今日の仕事は、部門横断で、相互依存的で、関係性に根差している。だからこそ、パートナーシップ主導のリーダーシップが求められる。このアプローチでは、リーダーが成果に対するオーナーシップを共有し、異議申し立てを歓迎し、整合、コーチング、説明責任を継続的な責務として扱う。
パートナーシップがなければ、他の訓練領域も揺らぐ。粘り強さは孤立を生み続け、品格は依存を招き、成長は停滞する。パートナーシップこそが、リーダーシップを「実践」へと変え、個人の能力を組織の強さへと転換する。
組織のリーダーに向けた要点
リーダーがこの4つの訓練領域を本気で身につけようとするなら、2026年にそれを体現する方法はいくつかある。
・自分が望むリーダーシップを自ら示す。 文化は意図ではなく行動に従う。したがって、粘り強さ、品格、パートナーシップといった特性は、委任したり、切り離して研修したりできるものではない。あらゆる階層のリーダーが、一貫して体現しなければならない。
・偏りに注意する。 エンゲージメントが落ちたり、実行が鈍化したりしたときは、結果だけでなく、リーダーがどのように振る舞っているかに目を向けるべきだ。品格のない粘り強さは害をもたらす。粘り強さのない品格は緩みを生む。どちらも成長を阻む。
・人を率いるリーダーの「緊張を抱える力」を伸ばす。 成長は、厳しい真実を思いやりとともに伝え、思いやりを説明責任とともに示せるときに起こる。この能力は、意図的に開発し、実践し、強化されなければならない。
・パートナーシップを通じて導く。 これからの仕事は、指揮命令型リーダーシップでは複雑すぎる。粘り強さと品格をスケールさせるのは、パートナーシップである。
・成長をリーダーシップの訓練領域として扱う。 持続可能な成長は、明確さ、遂行、説明責任、内省といった日々のリーダーシップ行動の結果であり、一度きりの施策の結果ではない。
2026年に向けたリーダーシップの要請
リーダーシップの未来が属するのは、最もタフなリーダーでも、最も優しいリーダーでもない。有害にならずに粘り強さを保ち、真実から逃げずに品格を差し伸べ、成長を訓練領域として貫き、権力ではなくパートナーシップを通じて導ける人々である。
人事リーダーや経営層にとって、2026年に向けた問いは、説明責任と人間性を同時に担えるリーダーを育て、そして自らも体現する意思があるかどうかだ。なぜなら、リーダーがこのバランスを正しく取れたとき、ようやく真の、そして持続可能な成長が可能になるからである。



