北米

2026.03.07 09:06

米国は自国を起業大国だと考えている。だが、その地位は揺らいでいる

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米国の起業は、文化的な勢いだけで回り始めている。国が新規事業の立ち上げを支えているかどうかを追跡する複合指数を含む主要な構造指標において、米国で会社を始めることはより難しくなっている。2月に公表されたGlobal Entrepreneurship Monitor(GEM)の2025/2026年報告書は、そう指摘する。

米国はいまなお起業家精神に富む国である。起業家精神のランキングではカナダ、英国、サウジアラビアに続く4位だ。しかし同報告書は、米国経済の雇用創出エンジンである中小企業にとって、先行きに潜在的な問題があることを示している。ロンドンに拠点を置き、米国ではバブソン大学にセンターを持つ非営利の研究コンソーシアムであるGEMは、起業家の意識、活動、条件を追跡するため、毎年50超の経済圏で成人を対象に調査を行っている。

米国は長らくイノベーションの強国だった。とりわけシリコンバレーの時代においてはそうである。さらにAIの導入は、企業の立ち上げをはるかに容易にする可能性がある。ただしAIの影響が、企業数、雇用数、所得に関してどのように現れるかは、誰にも分からない。

しかし同報告書は、起業というアイデアを実際のビジネスへと変えることを助けてきた条件の一部が米国で変化し、それも良い方向ではないことを明確にしている。米国が「十分」と評価された起業条件は5項目にとどまった。

金融に関連する2つの条件を合わせて見ると、興味深いストーリーが浮かぶ。米国は起業金融の「利用可能性」では適正(4.7、17位)だが、その資金への「アクセスのしやすさ」ではさらに低下し(4.2、18位)、スコアを落とす。これは、エコシステム内に資本は存在するものの、本来あるべきほど起業家に届いていないことを示唆する。

最も急速な悪化は教育にある。K-12段階(幼稚園から高校まで)の起業家教育は2025年に3.0となり、2024年の4.1から大幅に下落した。これは報告書の中でも、単年で最大級の下げ幅の1つだ。政府の支援や、研究開発(R&D)から市場への移転条件も「不十分」と評価され、前年比で悪化している。測定可能な改善が見られたのは、規制負担の領域だけだった。市場参入の容易さは顕著に改善しており、規制緩和の取り組みが専門家評価に反映されている。

総じて同報告書が示すのは、家計の財務ストレスが人々を自営へと押しやる経済である。家計収入が減ったと回答した米国の成人の割合は、2025年に24%だった。これはパンデミック期のピークである2020年の39%からは低下しているものの、歴史的な基準では依然として高い水準だ。そしてGEMのより広範な世界データは、この点を裏づける。調査対象の48経済圏のうち32で、家計収入の増加よりも減少の報告が多い。

そうした背景のもと、新たに起業した米国の起業家の69%が「仕事が不足していると感じること」も起業理由の一部だと答えている。この指標では米国はバーレーン、カタール、UAEと並ぶ。経済学では、創業者が市場の隙間やイノベーションを追う「機会主導型」の起業と、従来の雇用が不十分または得られないと感じて起業する「必要主導型」の起業を区別する。米国の数値は、米国のスタートアップ活動の相当部分が後者のカテゴリーに入りつつあることを示している。

失敗への恐れも、米国だけでなく拡大する制約である。GEMによれば世界的に、参加経済圏の過半で「良いビジネス機会」を認識している成人の少なくとも5人に2人が、失敗に伴うと認識されるコストによって躊躇している。その比率は米国では何年も頑固に横ばいだ。この恐れは非合理ではない。経済の不確実性と家計所得の低下が進む環境では、数年を投じて練り上げたスタートアップのアイデアが生き残れなかった場合の金銭的な帰結は深刻になり得るうえ、回復も難しい。実際の経済の脆弱性と連動する失敗への恐れは、合理的な反応である。

GEMの報告書はまた、企業は生まれている——米国の成人のおよそ5人に1人が新事業を始めているか運営している——一方で、既存企業のオーナーシップは低下していることも示す。多くのビジネスが始まるが、成功するものは少ない。

いくつかの基礎条件は依然として強い。起業をめぐる米国の社会・文化規範は10点満点中7.0で、調査対象の53経済圏の中で世界7位に位置する。物理的インフラと商業インフラも高評価だ。貿易では、新たな関税がグローバルな投入財や輸出市場に依存する起業家に逆風をもたらす一方、ドル安は一部にとって価格競争力を高めた。正味の影響は、産業によって大きく異なる混合的な政策環境である。

リスクを取ることの社会的正統性や、事業の失敗に伴うスティグマが相対的に小さいといった文化的資産において、米国は世界的な競争力を保っている。それは依然として非常に強力だ。文化はいつでも政策を上回る。だが全体像が語るのは、緩やかな浸食である。教育において、政府支援において、そしてスタートアップが単に生まれて失敗するのではなく、生き残りスケールできる条件において。

forbes.com 原文

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