米国時間3月6日の原油価格は、一段と上昇した。トランプ大統領が、イランに対し「無条件降伏」以外は受け入れないと述べたためだ。加えて米雇用市場の冴えない報告も重なり、米国の主要株価指数には再び売りが広がり、ダウ工業株30種平均はここ数カ月で最悪の週間下落率を記録した。
3月6日の取引開始直後、ダウは584ポイント(1.2%)下落した。S&P 500とハイテク株中心のナスダックもそれぞれ1%下落、0.9%下落となった。
ダウの週間下落率は3.7%下落に達し、10月以来最大の週間下落幅となった。
ダウを押し下げた銘柄は、アメリカン・エキスプレス(2.4%安)、ゴールドマン・サックス(2.3%%安)、アマゾン(1.8%%安)。ナスダックの重しとなった銘柄は、ショッピファイ(3.7%安)、インテル(3%安)、テスラ(1.9%安)、アップル(1.5%安)だった。
国際原油指標の北海ブレント原油は金曜日に7.1%上昇し91.50ドルとなり、米国指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)も8.4%上昇して87.80ドルを上回った。WTIは日中に一時90ドル近くまで上昇し、いずれの指標も約2年ぶりの高値水準となった。
トランプ大統領は3月6日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で、イランが降伏し「偉大で受け入れ可能な指導者」を選出すれば、米国と同盟国は「イランを破滅の淵から救うために全力を尽くす」と述べた。
米労働統計局の発表によると、2月の失業率は予想に反して4.4%に上昇し、非農業部門雇用者数は9万2000人減少した。1月に12万6000人増加していた雇用が一転して減少に転じた。
今後注目すべき点は、原油価格がどこまで上昇するかだ。カタールのサアド・アル=カービ・エネルギー相はフィナンシャル・タイムズに対し、世界の1日当たり原油流通量の20%以上が通過するホルムズ海峡をタンカーが通過できなくなれば、原油価格は1バレル150ドルに達し、世界経済を「崩壊させる」可能性があると語った。
イラン攻撃は今週、原油・天然ガス価格を押し上げ、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを検討する中でインフレへの懸念を高めている。モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのチーフエコノミックストラテジスト、エレン・ゼントナーによると、労働市場がさらに悪化すれば、FRBは金利引き下げに向かう可能性がある。ゼントナーは、原油価格の上昇が続くリスクが「再びインフレ上昇を引き起こし得る」ため、FRB当局者が「様子見姿勢を維持する」可能性があると指摘した。
LPLファイナンシャルのアナリスト、クリスティアン・カーは今週初め、原油・天然ガス供給の「持続的な混乱」がインフレ期待に影響を与える可能性があると述べた。一方、FRB当局者のニール・カシュカリとベス・ハマックはいずれも、イラン紛争が米国経済にどのような影響を与えるか判断するのは時期尚早だと語った。



