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2026.03.06 20:56

米国、核融合エネルギーの規制枠組み策定に着手 原子力発電の推進へ

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米国政府は、新興の原子力技術として核融合装置を開発するための規制枠組みの策定プロセスを開始した。

核融合装置の推進に向けたこの動きは、2月26日に米国原子力規制委員会(NRC)が規制要件とガイダンスに関する規則案の策定開始を発表したことで明らかになった。

「核融合エネルギーは、原子核を結合させて安全にエネルギーを放出するプロセスに依拠しており、今回の規則案はその商業利用に向けた道筋を示すものだ」とNRCは述べた。

「核融合装置の規制枠組み」と題された23ページの規則案は、NRCにより連邦官報に文書番号2026-03865として公開された。パブリックコメントの受付期間は90日間で、5月27日に締め切られる。

この規則案には、近い将来実用化される核融合装置の運転に伴って生じる放射性副生成物の保有、使用、製造に関する規制要件が含まれている。

「今回の規則制定は、技術中立的かつリスク情報に基づくアプローチを採用しており、予想される多様な核融合装置の設計に適用可能であるとともに、これらの装置で使用・生成される放射性物質の量の違いにも対応できる」と規則案は述べている。

核融合エネルギーとは

米国エネルギー省(DOE)によれば、「核融合反応は太陽や他の恒星を動かしている。核融合では、2つの軽い原子核が融合して1つの重い原子核を形成する。このプロセスでエネルギーが放出されるのは、生成された単一の原子核の総質量が、元の2つの原子核の質量より小さいためだ。余った質量がエネルギーになる」という。

昨年DOEは、核融合エネルギーを商業的現実へと転換するために民間部門、科学・技術の関係者が担うべき具体的役割を示した「核融合科学技術ロードマップ」を公表した。

DOEの研究者たちは、核融合エネルギーによる発電とその応用を探求してきた。その可能性の1つが、将来の発電所において燃料として重水素とトリチウムを用いること(重水素-トリチウム核融合)である。

DOEによると、「重水素は比較的豊富に存在する。海水中の水素原子約6500個に1個が重水素の形で存在する。つまり海洋には、この水素同位体が膨大な量含まれている。わずか1グラムの重水素-トリチウム燃料から放出される核融合エネルギーは、約2400ガロン(約9100リットル)の石油から得られるエネルギーに等しい」という。さらに「トリチウムは希少である。半減期が12年と比較的短い放射性同位体であり、自然界にはほとんど存在せず、将来の発電所ですぐに利用できる状態にはない。ただし、トリチウムを生成するプロセスは存在する」としている。

新たなNRC規則は技術中立に

NRCは規則案の中で、特定の技術を優遇しない形で商業核融合エネルギーの規制枠組みを推進する方針を強調した。

委員会は、「国家材料プログラム全体で予想される多様な核融合装置の設計に対応できる」よう、技術中立的な要件を提案している。

forbes.com 原文

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