かつて「茶の間」で誰もが共有できたビッグイベントが、今や特定のプラットフォームの「会員限定」へと姿を変えつつある。2026年、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕したが、今大会はNetflixによる独占配信だ。会員登録を済ませていない限り、リアルタイムの熱狂に触れることは叶わない。こうした中継権の独占化は、F1中継におけるフジテレビの独占権獲得とDAZNの撤退など、他のスポーツでも加速している。ファンは視聴のためにその都度、有料サービスへの対応を迫られるが、この「有料の壁」がもたらす影響は、ライト層にとって深刻なものとなりそうだ。
ロイヤリティ マーケティングが実施した調査によれば、今回のNetflix独占配信について、野球への関心が低い「ライト層」の半数以上が「知らなかった」と回答している。さらに、「地上波放送がない」という状況は、ライト層の約7割において観戦意欲を低下させる要因となっていることが浮き彫りとなった。

特に顕著なのが「コストに対するシビアな姿勢」である。「無料なら見るが、有料なら見ない」と回答した人は67.0%に達しており、有料配信という形式そのものが、幅広い層がスポーツを楽しむ上での決定的なハードルとなっている実態がうかがえる。




