アジア

2026.03.09 09:00

中国のサイバーセキュリティ法がさらに厳格化──米国は反撃の構え

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中国で起きたことは中国にとどまる──少なくとも、データに関しては中国の法律がそう定めている。

中国は年初、サイバーセキュリティ法の改正を発表した。これは、中国で事業を行う、あるいは中国と取引する外国企業に大きなリスクをもたらすものだ。この改正は、国境をまたぐデータ移転を制限する外国法に反対するトランプ政権の方針に、暗に異議を唱えるものでもある。

筆者が先日、米国議会で証言したとおり、中国の「法的『万里の長城』」(Legal Great Wall)は、中国国内で事業を行う、あるいは中国に拠点を置く企業と取引のある外国人や外国企業にとってリスクとなっている。中国の攻撃的なデータ主権法に対抗することは、権威主義的な越権行為から米国の市民と企業を守る上で重要な一歩だ。

中国のサイバーセキュリティ法とデータ主権法制は、外国企業のリスクを高めている

トランプ政権は、国境をまたぐ自由なデータ流通を確保し、それを制限する外国の法制度に反対することを重要課題に位置づけてきた。トランプ政権は、国境をまたぐデータ流通がAIの発展、中国との技術競争で優位に立つこと、そして海外での米国企業の利益拡大にとって重要だとしている。

大規模AIモデルの開発には、学習と推論のために膨大かつ多様なデータセットが必要であるため、米国のテック企業はデータ主権に対して懸念を表明してきた。

データローカライゼーション(データの国内保管義務)は通常、ある国の市民や企業から収集されたデータ、あるいはその国内で収集されたデータを、その国内でのみ保存・処理することを求めるものである。こうした法律は、米国のAI企業が成長のために依存するグローバルなデータプールを分断し、多額のインフラ投資と煩雑な法令順守を強いることになる。

「海外からの恐喝および不公正な罰金・制裁から米国企業を守る」と題された大統領令は、国境を越えたデータ流通を制限する外国の法制度について、米国の主権を侵害し、米国企業のグローバル競争力を損ない、運営コストを増大させると同時に機密情報を危険にさらすものだと名指しで非難した。トランプ政権は、こうした外国法に反対することで米国企業の利益を積極的に守る構えを見せている。

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翻訳=酒匂寛

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