何が正しく何が重要かという両親の教えを受け、強い責任感を持つ
サンフランシスコのミッション地区で1980年代に育ったアモデイ兄妹の父親は、イタリアからの移民で革職人だった。父は2人がまだ若かった頃に亡くなった。母は図書館関連のプロジェクトマネージャーとして働き、図書館の建設や改修を統括していた。「両親は、何が正しく何が間違っているのか、そしてこの世界で何が重要なのかを私に教えてくれた。彼らは、強い責任感を植え付けてくれた」とダリオは語っている。
数学と物理に夢中になったダリオは、著名な研究組織からOpenAIへと移籍
子どもの頃に数学と物理に夢中になったダリオは、スタンフォード大学で物理学を専攻し、その後プリンストン大学で博士課程に進んだ。2015年にはグーグルの著名な研究組織「グーグル・ブレイン」に参加し、翌年にはOpenAIに移籍。やがて同社で研究担当副社長を務めるまでになった。彼は、Anthropicでは、一部の社員から「プロフェッサー・パンダ」と呼ばれているという。オフィスには「賢いタコ」と名付けたぬいぐるみを置いているそうだ。
妹のダニエラは、安全性と政策を担当する副社長
幼い頃にクラシックフルートに情熱を注いだ妹のダニエラは、カリフォルニア大学サンタクルーズ校で英文学を学び、政治の世界に関わるようになった。彼女は、ペンシルベニア州選出の元下院議員マット・カートライトのもとで働いた後、決済大手ストライプで5年間勤務した。最初は採用業務、その後はリスク管理や政策分野に携わったという。その後、兄のダリオを追ってOpenAIに加わり、安全性と政策を担当する副社長を務めた。兄妹はAnthropicの他の共同創業者とともに、自身の資産の80%を慈善活動に寄付することを誓っている。フォーブスの試算では、その総額は現在392億ドル(約6.1兆円)に相当する。
倫理や人文学を重視する企業カルチャーが、競合他社と分ける要因となっている可能性
Anthropicを競合他社と分ける要因は、こうした倫理や人文学を重視する企業カルチャーにあるのかもしれない。実際、ABC Newsによるインタビューでダニエラは、AIの時代には人文学の学びが「これまで以上に重要になる」と書籍が並ぶ自社の図書室で語っていた。そしてもう1つ、彼女の言葉を裏付けるようなメッセージがある。Anthropicのオフィス前の歩道には、「勇気とは恐怖がないことではない。それを乗り越えることだ」というネルソン・マンデラの言葉がチョークで書かれていた。


