経済・社会

2026.03.06 11:30

ウクライナ、湾岸諸国にドローン迎撃技術の提供を表明 低コスト化する戦争

中東バーレーンの首都マナマで、イランの自爆型ドローンによる報復攻撃で被害を受けた建物と自動車。2026年3月1日撮影(Stringer/Anadolu via Getty Images)

ウクライナのシンクタンク・ウクライナ安全保障協力センター(USCC)のセルヒー・クザン会長は、「防空システム、電子戦、安価な迎撃機、機動部隊を組み合わせた多層的かつ分散型の防空体制が効果的であることをウクライナは実証した」と語った。一方、ウクライナ軍元将校のメルニクは、防空網に残された穴を埋めるためにはF16戦闘機の配備数を増やし、迎撃ドローンと連携させる必要があると指摘している。

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ウクライナの提案の重要性

ロシアが2022年にイラン製シャヘドでウクライナ各地の都市を空爆し始めて以来、ウクライナ軍が追跡・迎撃したドローンは約5万7000機に上る。欧米から提供される防空装備が不足していたため、ウクライナは必要に迫られて、多層的な低コストの迎撃ネットワークを構築してきた。

ウクライナ軍のオレクサンドル・シルスキー軍総司令官は先ごろ、首都のあるキーウ州に今年2月に襲来したシャヘドの70%以上を自国開発の迎撃ドローンが撃墜したと発表した。この迎撃ドローンは2月だけで約6300回の出撃を行い、ロシア製の各種ドローン1500機以上を撃墜したという。

ウクライナはさまざまな迎撃ドローンを開発している。ウクライナ製迎撃ドローン「オクトパス」は1機あたり約3000ドル(約47万円)で、代替対象のミサイルにかかるコストと比べれば微々たるものだ。ウクライナメディアは先月、オクトパスの量産ライセンスが現在、国内メーカー16社に供与されており、英国が月間数千機のライセンス生産契約を締結したと報じた

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米国と湾岸の同盟国は火力で圧倒するが、低コストのドローンによる損害は無視できない。ウクライナが苦労して獲得した安価な迎撃ドローン運用ノウハウは明らかに有益であり、既存の防空網に費用対効果の高い防御をもう一層上乗せできる。

米カーネギー財団のダラ・マシコット上級研究員は、Xへの投稿でこう記した。「米軍の作戦行動を見れば、攻撃作戦における卓越性は疑いようがない。しかし、今日の基地への脅威やこれまでに受け入れてきたリスクを鑑みれば、軍は早急にさらなる対策を講じ、ウクライナから得られた防衛に関する教訓を制度化する必要がある」

低コストドローン戦術の急速な拡散により、各国の軍は防空体制の経済性を再考せざるを得なくなっている。これは対立する両陣営にとって供給戦争であり、双方ともが対抗しうるだけのミサイルと迎撃機の生産に苦戦することになるだろう。

forbes.com原文

翻訳・編集=荻原藤緒

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