リーダーシップ

2026.03.06 08:59

次世代人材を活かすリーダーシップ:世代間ギャップを埋める実践的アプローチ

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職場におけるZ世代の存在感が確固たるものとなり、そのすぐ後ろにアルファ世代が控えるなか、リーダーにはコミュニケーションの取り方、人材育成、そして仕事における成功の定義を見直すことが求められている。

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2034年までに、先進経済圏では従業員のほぼ80%がミレニアル世代、Z世代、そして成人期に入るアルファ世代の第一波で占められる。調査によれば、Z世代はその後の流れを形作るうえで、コミュニケーション、学び方、フィードバック、リーダーシップへの期待といった領域で新たな標準を打ち立てるなど、特に大きな役割を担うことになりそうだ。これは一時的な調整ではなく、仕事の進め方と、リーダーに求められる振る舞いそのものが構造的に変化することを意味する。

だからといって、強いコミュニケーションや関係構築がリーダーシップの中核能力であることの重要性が薄れるわけではない。むしろ、その定義が変わるのだ。新しい世代を動機づけ、惹きつけ、定着させるためのアプローチは、過去に有効だった方法とは異なることが多い。特に、協働、成長の道筋、サクセッションプランニングにおいて、その違いは顕著である。

変化する職場において、協働、期待値、感情知能に焦点を当てながら、経営層が世代間の溝を埋める方法を示したい。

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自律性と信頼の微妙なバランス

私たちは、人と人とのつながりが重要になる働き方へと戻り始めている。これまでの世代がそれを重視してこなかったという意味ではないが、従業員体験と個人的な関係構築は、これからの働き方を実現するうえで重要な推進力となる。

新たな働き手が求める自律性は、やや誤解されている。確かに自律性は信頼の表れとして望まれる一方で、必要なスキルを身につけるために、上司からの指導や支援も求めている。しかもそれは、しばしば「言外の期待」として先回りで提供されることを望む傾向がある。若年層の調査では、回答者の60%超が上司から定期的なフィードバックを望んでいることが明らかになった。その頻度は毎日、毎週、毎月とさまざまで、対面、電話、メールなど複数の手段にまたがっている。さらに学習と能力開発の文化に関して言えば、Z世代とミレニアル世代の働き手は、日々の業務を細かく管理・監視されることではなく、職場でのやり取りや上司との会話を通じた指針、刺激、メンターシップを期待している。

組織にとって重要なのは、適切なレベルのフィードバックと協働を促進することである。信頼を醸成しつつ、必要なときには支えとなり、成長機会に根差した学習・能力開発への道筋を示すことが求められる。従業員のラウンドテーブル(円卓)ディスカッションは、その点で有効だ。マネジャーと部下が一堂に会し、活発な対話を生み出す。また、営業や市場投入(GTM)のキックオフから年次集会、資金調達や社会貢献活動に至るまで、組織全体の文化づくりに社員が関与できるようにすることも同様に重要である。役割、責任、インパクトを明確にすることは、リーダーシップの価値を高める。

チャネルの選択肢が声を届ける

職場に訪れる変化の1つは、新しいコミュニケーションのあり方である。メールの終焉を予測するのは難しいが、新しい世代の働き手が互いにどう会話したいと考えるかは、これまでとは異なる。実際、次世代の働き手の3分の1は、職場に入る頃にはメールは標準ではなくなり、新たな協働・コミュニケーションプラットフォームに置き換わっていると考えている。一方で、若い世代の親の多くは、対人・社会的スキルを保つために、テクノロジーの浸透スピードを抑えようとしている。

それは具体的にどういう姿か。組織内の誰もが、自分らしいと感じるコミュニケーション方法を見つけられるようにし、その自由度と柔軟性を担保する仕組みを整えることである。組織は、従業員が意見を共有できる多様な環境を用意し、組織の上下・横断で適切なメッセージを運ぶと信頼できる導線を設けなければならない。デジタルとアナログの併用が求められる。仕事を進めるために適切なタイミングで適切なチャネルを選ぶバランスを取りつつ、無秩序で非生産的、かつ維持が難しい「何でもあり」にならない範囲で、新しいコミュニケーション手段にも開かれていることが重要だ。

例えば、組織は「ビジョンチーム」など、階層や機能をまたぐ高成果の位置付けを通じて構造をつくることができる。こうした仕組みはリーダーシップのギャップを埋め、フィードバックの循環を短縮し、コミュニケーションのハードルを下げる。彼らはリーダーと従業員双方のニーズを代弁し、マネジメント上の要請、プロセス変更、オペレーション改善など、組織横断の重要な協働を探るためのパイプ役となる。

解決志向でありながらオープンで共感的に

調査結果によれば、Z世代の約4分の3が、生成AIが自分の働き方に影響を与えると考えている。これらの技術は今後数年でより大きな役割を担う一方、テクノロジーに精通した新しい世代であっても、同僚とコミュニケーションを取るソフトスキルと新たな働き方を両立させる必要がある。そのため彼らは、この変化に備えるための能力開発やトレーニングを求めている。

Z世代の就労によって生じたソフトスキルのギャップを埋めるのは容易ではない。リーダーは組織と連携し、この溝を巧みに橋渡しする必要がある。新しい世代の働き手に対して、感情知能と適応力を示すことが欠かせない。加えて、組織にとって価値のある場で、従業員がこれらのスキルを伸ばせる機会を提供することも必要だ。

その一例として、社内外の会議への参加といったストレッチ機会、業界の同業者とのネットワーキング機会、あるいは新しい世代がリーダーの前で可視化される「発言の場」を意図的に設けることが挙げられる。また、健全な対話を促すことも意味する。たとえ意見の対立や、その場での議論の組み立て直しが生じたとしてもだ。組織と顧客にとって成果がプラスである限り、物事がどう決着するのかを示すことから得られる経験は価値がある。

リーダーシップのギャップを埋める:多面的で多層的な課題

私たちの周囲の世界は速いスピードで動いている。仕事、ワークライフバランス、目的意識に対する見方や姿勢を変える引き金もまた同様である。

リーダーはそのことを忘れてはならない。組織はリーダーシップのギャップを埋めるためのプロセスとプログラムを整え、次世代の働き手が潜在力を解き放てるよう後押しする必要がある。

forbes.com 原文

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