米国時間3月5日、米国の主要株価指数は続落した。中東情勢を受けて原油価格が約2年ぶりの高値まで上昇し、イラク攻撃がインフレと経済に及ぼす影響への懸念が広がっている。
3月5日午後時点で、ダウ工業株30種平均は1089ポイント(2.2%)下落した。S&P 500種株価指数は1.3%下降、ハイテク株中心のナスダックは1.1%下落となった。
米国の原油指標WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は9%上昇して81ドルを上回り、国際的な原油指標である北海ブレント先物は5%上昇して約85.45ドルとなった。いずれの指標も2024年7月以来の高水準だ。
原油先物の急騰は、イラン国営メディアがイランがミサイルで石油タンカーを攻撃したと報じたことや、英国海軍がイラク海域のタンカーで爆発があったと報告したことを受けたものだ。
ダウ構成銘柄では、キャタピラー(-4.6%)、ウォルマート(4.3%安)、ゴールドマン・サックス(3.9%安)、ボーイング(3.3%安)が下落を主導した。一方、ナスダックではAMD(2.5%安)、アップル(1.5%安)、エヌビディア(1.5%安)、アルファベット(1.4%安)、テスラ(0.9%安)が指数を押し下げた。
米国時間3月3日の取引時間中、ダウは1278ポイント下落という最大の下げ幅を記録した。2025年4月にトランプ大統領が「解放の日」関税を発表して以来、最大の1日の下落率(2.6%)となるところだったが、指数はその後回復。終値では0.8%下落にとどまった。
エヌビディアとAMDの株価下落の要因
エヌビディアとAMDの株価下落は、米国が政府承認なしでのAIチップ出荷を制限し、企業に対してAI技術のほぼすべての輸出に許可取得を義務付ける規制案を起草したとブルームバーグが報じたことに伴うもの。ホワイトハウス、AMD、エヌビディアのいずれも、コメント要請に直ちには応じなかった。
原油・ガス価格と、FRBによる利下げへの影響は?
原油とガス価格の上昇は、インフレが再び上昇するに転じるとの懸念を強め、米連邦準備制度理事会(FRB)を利下げから遠ざける可能性がある。ミネアポリス連銀のニール・カシュカリ総裁は3月3日、イラン攻撃が米経済に与え得る影響を見積もるには「時期尚早」だろうと述べた。しかし、エネルギー価格が急騰する中で利下げをめぐる不確実性があると指摘した。
LPLファイナンシャルのアナリスト、クリスティアン・カーは今週初め、中東情勢が世界のエネルギー市場を混乱させ、石油と天然ガスの流れに「相当な混乱」が生じれば「インフレ期待に影響し得る」と記した。一方で、懸念を退けるエコノミストもおり、ウェルズ・ファーゴ・エコノミクスのトム・ポルチェリ、モルガン・スタンレーのダニエル・スケリーは3月5日、地政学的攻撃を巡るボラティリティは「比較的短命の傾向がある」と述べた。



