経営・戦略

2026.03.06 14:00

ネトフリが俳優ベン・アフレックのAI企業を買収、ワーナー買収断念の直後

Cindy Ord/Getty Images

Cindy Ord/Getty Images

ネットフリックスは米国時間3月5日、新たな買収を発表した。先日入札から撤退したワーナー・ブラザース・ディスカバリーではなく、俳優兼映画監督のベン・アフレックが設立した映画制作者向けAIツールの開発企業である。今回の買収に伴い、アフレックはネットフリックスのシニアアドバイザーに就任する。

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今回ネットフリックスが買収したのはインターポジティブ(InterPositive)という名のテクノロジー企業だ。アフレックによれば、同社は「人間の創造性とそれを支える人々の力を守る」ための映画制作AIツールを開発するために設立された。

インターポジティブのAIモデルは、制作中の映画のショットを読み込ませることで、そのプロジェクトの視覚的スタイルやトーンを学習する。学習後は、照明やカラーリング、視覚効果(VFX)の調整のほか、欠落したショットの補完や背景要素の修正などに活用できる。

ネットフリックスが共有した発表動画の中で、アフレックは同社の技術について「テキストのプロンプトを入力したり、何もないところから何かを生成したりするものではない」と説明し、制作者自身の素材を基にモデルを構築する技術であることを強調した。

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なお、ネットフリックスは買収金額を明らかにしていない。

今回の買収は、ネットフリックスがワーナーの買収額の引き上げを拒否し、パラマウントによる買収の道を開いたわずか1週間後に行われた。ネットフリックスは2025年12月、名門映画会社のワーナーとの買収合意を発表したが、その後パラマウントが敵対的買収を仕掛け、数カ月にわたる争奪戦に発展した。

パラマウントは2月後半、ワーナーの買収額を1株あたり31ドルに引き上げる修正案を提示し、ワーナー側はこれをネットフリックスの提案よりも優れていると判断した。ネットフリックスとの当初の合意案が映画スタジオやHBO、HBO Maxの支配権獲得を目的としていたのに対し、パラマウントはCNNやTBSといったケーブルテレビ事業を含むワーナー全体を対象に入札した。ワーナーとパラマウントは先週末に合併合意に署名したが、取引完了には依然として規制当局の承認と株主投票が必要となる。

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翻訳=江津拓哉

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