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2026.03.06 09:30

石油や防衛企業…… トランプによる対イラン戦争で利益を得る企業

U.S. Navy via Getty Images

今後の不透明な要素

最大の疑問は、イラン紛争がいつまで続くかだ。紛争の継続期間は企業の業績に大きな影響を与える。紛争が早期に解決されたり、原油高を是正する新たな措置が講じられたりすれば、防衛やエネルギーセクターの上昇は短命に終わる可能性がある。

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アナリストらはAFP通信に対し、トランプ政権が原油高の衝撃を和らげるために、ホルムズ海峡への護衛艦の派遣を約束したり、戦略石油備蓄を放出したりすれば、石油会社の利益は縮小する可能性があると推測している。対照的に、紛争が泥沼化し原油高が続けば、再エネ企業が最も恩恵を受けるだろう。

アナリストのバイロン・キャランは防衛産業について、短期的には業界にとってプラスだが、最終的には紛争の期間と米国がイランを「無力化」できるかどうかにかかっていると、エア・アンド・スペース・フォーシズに語った。紛争が長引けば兵器の在庫補充が必要になり、企業にはプラスとなる。しかし、米国がイランを決定的に破れば、同地域における長期的な兵器需要が減り、逆に企業の打撃となる可能性もある。キャランは「イランを想定したあらゆる軍事計画が、今回の紛争の展開次第で書き換えられることになる」と述べている。

最も苦境に立たされる企業

今回のイラン攻撃で特に深刻な打撃を受けているのが旅行セクターだ。燃料コストの上昇と旅行控えへの懸念から、航空大手、クルーズ会社、ホテルグループの株価は今週、軒並み下落している。中東でのフライト欠航に加え、現地のホテルチェーンの資産が損傷を受けるなどの実害も出ている。

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紛争が長期化した場合、他に打撃を受ける可能性があるのは、投資家がリスク回避姿勢を強めるハイテク株や、高級ブランドだ。LVMH、バーバリー、そしてカルティエやクロエを傘下に持つリシュモンの株価は今週下落した。アナリストは、これら企業が中東に多額を投資していることに加え、高級品は一般的に経済的不透明感が少ない時期に売れるという事実を指摘している。CNBCが引用したRBCキャピタル・マーケッツのアナリストの話によれば、消費者は経済状況が悪化すると高級品のような裁量的支出を控える傾向があり、高級品が最も多く売れるのは、「消費者信頼感が高く、将来の見通しが良く、気分の良い時期」であるという。

一部の業界には恩恵があるものの、エコノミストらは、この戦争が全体としては経済に壊滅的な悪影響を与える可能性があると予測している。ペン・ウォートン予算モデル(PWBM)の責任者であるケント・スメッターズは2日、フォーチュンに対し、この紛争が米国に500億ドル(約7兆8800億円)ら2100億ドル(約33兆1100億円)の経済損失をもたらす可能性があるとの見解を示した。

forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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