しかし、理想の時期が遅くなる一方で、生物学的な妊娠のしやすさやリスクに関する知識が追いついていない実態も課題だ。調査によると、将来的に子どもを望んでいる未婚男女であっても、半数以上が具体的な情報収集を始めていない。妊娠や出産に関するクイズの正答率スコアを算出すると、驚くべきことに、子どもを望んでいる層のほうが、望まない層よりも平均スコアが低いという逆転現象も確認された。この知識の欠如は、いざ「子どもが欲しい」と思った時に年齢的な壁に直面するリスクを高める要因となり得る。

また、子どもを望まない理由としては、経済的な負担が大きな壁として立ちはだかる。特に大学生以降の教育資金への懸念など、将来の金銭的リスクを回避するために子どもを持たない選択をする層が増えている。これに対し、自治体によるAMH検査(卵巣予備能検査)の助成や不妊治療支援などの制度は存在するものの、制度そのものを認識している層は6割程度に留まっており、支援情報の周知が依然として不十分であることも普及の妨げとなっている。

現代の妊活は、個人の意志だけでなく、正確な知識の習得と、自治体や企業の適切なサポートを組み合わせることが重要だ。早期からの知識普及と経済的・心理的障壁の除去が、今後の少子化対策において必要不可欠となるだろう。
出典:ロート製薬「妊活白書2025」より


