2026年の世界は、確実なものなど何一つない。グリーンランドからベネズエラ、イランに至るまで、地政学的緊張は複数の戦線で高まっている。エプスタイン関連文書には、世界有数の富豪や権力者の名前が連なる。そして米露間の核条約終了は、世界的な軍拡競争への懸念を引き起こした。
人々は終わりなき不確実性の影の中で生きている。ビジネスリーダーには、今日を生き延びながら明日のためにイノベーションを起こすことが求められている。20世紀にグローバルブランドを強大にした要因そのものが、2026年には弱点となっている。
ここでは、今後1年間とそれ以降を形作る7つの文化トレンド、ブランドが未来に備えるための方法を紹介する。
1. 新たな世界秩序の混乱
第二次世界大戦の終結は、ブレトンウッズ体制とルールに基づく国際秩序の幕開けを告げた。世界銀行、IMF、国連、世界貿易機関の創設と拡大は、多国間主義、自由貿易、国際法の基盤を築いた。多国籍企業は、未開拓の市場、原材料、安価な労働力へのアクセスを得て、こうした環境下で繁栄してきた。グローバル化は生産コストを下げ、ビジネスリスクを軽減し、利益を押し上げた。世界平和度指数によれば、2025年の世界紛争は第二次世界大戦以降で最高レベルに達している。
世界がより分断された状態に回帰する中、無制限のグローバル化は例外的な現象のように見える。ドイツ首相は、世界秩序は「もはや存在しない」と警告した。一方、欧州各国政府はデジタル主権を確保するため、Microsoft、Google、Zoomといった米国のテック企業との関係を断ち切りつつある。
戦争や不確実性の時代には、人々は集団的な関心事よりも自己保存を優先する。戦争、経済崩壊、環境崩壊といった外部からの脅威は、動機を目前の生存へと狭める可能性がある。心理学研究によれば、現実の脅威であれ認識された脅威であれ、人々は不確実性への耐性が低くなり、内集団のアイデンティティへの依存度が高まる。最新のエデルマン・トラスト・バロメーターはこの変化を捉えており、70%の人々が異なる価値観を持つ人を信頼することに消極的または躊躇している。生存への欲求はさまざまな形で現れる。
たとえば、米国のプレッパー(災害への備えをする人々)の数は2017年以降、2000万人へと倍増以上に膨れ上がった。プレッパーのマインドセットは、もはや地下シェルターや缶詰の備蓄に限定されない。同じ番組を繰り返し視聴し、同じ音楽を繰り返し聴き、同じ製品を繰り返し購入する「ノスタルジア・ループ」も、これで説明できる。未来が手の届かないものに感じられるとき、人々は慣れ親しんだものにしがみつく。ブランドが成功するためには、感情的な安心感を提供しながら、昨日よりも明るく感じられる未来像を描く必要がある。



