経済・社会

2026.03.12 15:00

アナログライフ、ソロ経済 2026年以降を形作る「7つの文化的トレンド」

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2. RichTok(リッチトック)への関心

あらゆる業界のビジネスリーダーが、低所得層と富裕層の消費者間で広がる格差に対応している。米国の上位10%の富裕層が消費支出の50%を占めている。言い換えれば、人口の90%は消費全体の半分しか担っていない。大多数の人々は、日常的な買い物からも締め出されていると感じている。マス向け消費財ブランドにとって、消費者の購買力の崩壊は成長への構造的障壁となっている。中間層向けのブランドは、意味を求めて上位に移行する消費者と、価格を求めて下位に移行する消費者の両方を失っている。そしてプレミアム化が常に正解とは限らない。

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意外なことに、企業は富のより平等な分配を公然と求めてはいない。データは圧倒的に、低所得世帯は追加収入のより高い割合を消費に回すことを示しているにもかかわらずだ。そのお金は循環しやすく、経済成長と雇用創出を促進する。対照的に、コカ・コーラは低所得層の消費者が購入量を減らしていると報告している。マクドナルドは低所得層の来店客減少に対抗するため、エクストラ・バリュー・ミールを復活させた。モンデリーズは最近、価値を求める顧客がプライベートブランドに移行していると報告した。

同時に、RichTok(リッチトック)への関心が高まっている。そこでは超富裕層が大衆に向けて、現実離れしたライフスタイルを見せびらかすのだ。21世紀版の「決して食べられないパンの匂いを嗅ぐ」ようなものである。かつて富を誇示することは恥ずかしく格好悪いとされていたが、今日ではベッカ・ブルームのようなインフルエンサーが数百万ドルの購入品を披露し、いわゆる99%の人々に「1%の暮らし」の最前列席を提供している。歴史的に、最も持続的で安定した繁栄期は、生産性の向上が労働者階級の可処分所得の増加と中間層の拡大につながったときに生じている。グローバルブランドにとって、長期的な成長は、所得と富の分配について政府や政策立案者と連携することにかかっている。

3. 中国のソフトパワー台頭

中国は世界の製造業大国である。同国は世界の製造業生産高のほぼ3分の1を占めている。しかし歴史的に、中国は文化的輸出の創出において実力を発揮しきれていなかった。これは「ソフトパワー」として知られ、力ではなく文化、価値観、アイデアを通じて行動や関心に影響を与える能力と定義できる。たとえば、米国はハリウッド映画、マクドナルド、コカ・コーラを通じて世界的にソフトパワーを発揮してきた。英国のソフトパワーの象徴には、王室、プレミアリーグ、ジェームズ・ボンドがある。日本の例としては、アニメ、任天堂、寿司が挙げられる。「ソフト」という名称にもかかわらず、ソフトパワーは政治や政策が介入するはるか前から、嗜好、憧れ、アイデンティティに影響を与えることができる。

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中国は今や英国を抜いて、米国に次ぐ世界第2位のソフトパワー国家となった。2008年の北京オリンピックは、中国が意図的にソフトパワーと文化的影響力を追求する上での転換点だった。今、次なるフロンティアに入りつつある。2026年、中国のBYDはテスラを抜いて世界最大の電気自動車メーカーとなった。中国のAIスタートアップDeepSeekは数学と推論のベンチマークでOpenAIと直接競合している。そしてラッキンコーヒーはスターバックスを抜いて中国最大のコーヒーチェーンとなり、米国市場にも参入している。

重要なのは、西洋の人々がこれまで以上に中国の文化、ブランド、製品との接点を持つようになっていることだ。中国文化はもはや異質で敵対的なものとして認識されておらず、人々が積極的に関わるものとなっている。中国文化は「クール」なのだ。中国の台頭するソフトパワーは、非西洋の文化やアイデンティティ形成により開かれた新世代の西洋人の変化する文化的価値観を反映している。1987年にKFCが北京にオープンしたとき、それは極めて象徴的な瞬間だった。今日、私たちはその逆の現象を目撃しているのかもしれない。

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