国内

2026.03.06 13:15

AI普及時代の差別化戦略 日本らしさが価値を生む|Akatsuki Ventures 石倉壱彦

上場企業にとってM&Aの絶好の機会

──成長戦略としてIPO以外の選択肢が広がる中で、投資先企業や経営陣の意識に変化はありますか。

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石倉:出口をIPO一本で考えない経営者は明らかに増えました。一昨年あたりから兆候はありましたが、ここ1〜2年で意識が決定的に変わったと感じています。
私たちアカツキも、2025年8月に、SNSマーケティングを主軸としたNateeという投資先を完全子会社化しました。ビジネスとしては成長しているけれど、今のIPO環境では上場のハードルが高い。そんな局面で、M&Aという次の選択肢を提示したケースです。

周囲を見ても、UPSIDERがみずほ銀行にM&Aされた件はビッグニュースでした。投資先のGreenspoonも江崎グリコとのM&Aを経て、急成長を続けています。yutoriもZOZOの傘下に入った後にグロース市場へ上場し、さらにそこからM&Aを積極展開して大きく伸びている。こうしてM&Aでグループインした後、大企業のなかで成長を加速させるケースが目に見えて増えています。

──スタートアップ側の変化を伺いましたが、お話があったようにアカツキはM&Aでスタートアップを迎える側です。M&Aは積極的にお考えですか?

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石倉:上場企業の立場から言えば、スタートアップ側がM&Aにポジティブな今こそ絶好の機会です。ゼロから事業を一定規模まで作れる人材がグループインして次の成長の波を作ってくれるのは、上場企業にとって非常に大きな価値です。ただ、最大の課題はバリュエーションの目線が合わないことです。M&Aの相手となるスタートアップは、市場環境が上向いていた時期に資金調達をしていることが多い。IPOを前提に設計されたバリュエーションと、M&Aの買い手から見た水準との間にはかなりの開きがあるのが実情です。

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文=加藤智朗 編集=露原直人

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