Google検索の利便性が向上する一方で、サイト運営者は新たな局面に立たされている。検索結果の最上部にAIによる回答が表示される「AIによる概要(AI Overviews)」の普及により、ユーザーが検索結果ページだけで完結し、どのサイトにも訪問しない「ゼロクリック検索」が加速している。SEO分析ツールを提供するAhrefsが実施した調査では、このAIによる機能が検索流入に与える影響が大きくなっていると指摘している。
調査によると、AIによる概要が表示されるキーワードにおいて、検索順位1位のCTR(表示された回数に対し実際にクリックされた割合)は、グローバル市場で従来より約58%も低下している。日本市場においても例外ではなく、約37.8%の低下が確認された。

これまでは検索1位を獲得することが流入確保の絶対条件であったが、AIが回答を提示することで、1位であってもクリックされない事態を招いている。
この現象の背景にあるのが、前述の拡大である。ユーザーはAIの要約を読むだけで満足し、詳細な情報を求めて個別サイトへ遷移する必要がなくなっている。特に「情報収集型」のキーワードにおいて、AIによる概要が表示される割合が高く、既存のSEO戦略だけでは流入を維持することが困難な状況といえる。
また、グローバル市場でのCTR低下率は2025年4月時点の34.5%から同年12月には58.0%まで急拡大しており、日本でも今後さらなる影響の拡大が予想される。
こうした「AI検索時代」の到来に伴い、企業は従来のSEOに代わる新たな施策が求められている。そこで注目されているのが、AIに自社の情報を引用・推薦させるための「GEO(生成エンジン最適化)」や「LLMO(大規模言語モデル最適化)」という概念である。単に検索順位を上げるだけでなく、AIが生成する回答のソースとして選ばれること。それが、これからのデジタルマーケティングにおける新たな突破口となるだろう。
出典:Ahrefs「AI による概要のゼロクリック影響調査」より



