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マーケット、ミレニアル世代、マネー担当。

Photo by Gilbert Carrasquillo/Getty Images


50万ドルを手渡され、これで世の中を変えてくれと言われたら、あなたならどうするだろう? 医薬品リサイクル事業を行うSIRUM社の共同設立者キア・ウィリアムズは、今まさにそんな状況下に居る。彼女は、フィラデルフィアで開催されたフォーブス主催「アンダー30サミット」の社会起業家コンテストで、見事1位を勝ち取った。

彼女の事業プランについて話す前に知っておいて頂きたいことがある。アメリカでは毎年5000万人が薬代を払えないという理由で、処方薬を受け取っていない。結果的に、毎年50億ドル(約6000億円)相当の未使用薬剤が病院や薬局、養護施設で焼却処分されているのだ。

SIRUM社の正式名称はSupporting Initiatives to Redistribute Unused Medicineという。直訳すると「未使用医薬品の再流通の取り組みをサポートする」となる。ウィリアムズ(29)と2名のチームは未使用薬品を再分配するプラットフォームをつくり、200の医療機関と連携して470万ドル相当の薬を配布している。彼らは2019年までに提携医療機関を1000に増やし、1900万ドル相当の薬剤の寄付を可能にしたいと考えている。

審査員がSIRUM社の事業案に魅了されたひとつの理由として、ビジネスモデルの効率の良さを挙げられる。彼らは、パートナーの採用と研修に約2700ドルを使う。入社したパートナーは、その後年間平均6000ドル分の薬を寄付する。 5年も経てばSIRUM社はわずか5人の社員で3万ドル相当の薬剤を保有することになる。

「我々が求めているのは、拡張性があって達成可能なビジネスです」と審査員の一人でThe Global Poverty Project(世界貧困撲滅プロジェクト) の創立者であるヒュー・エバンスは言った。彼もまたフォーブス「アンダー30」の卒業生の一人だ。

会場の人々は、ウィリアムズの話にくぎ付けになった。「私は、フィラデルフィアの西の地区で育ちました。両親の世代は貧しい生活を強いられました。この会場からわずか5マイルほどの所なのに、ここからは遠く離れた別世界の様な所です」と彼女は1500人の聴衆を前に語った。

手元に残ったお金で家賃を払うか、日用品を買うか、血圧の薬を買うか、どれかを選ばざるを得ない程の貧困に直面した母親たちを、彼女は知っていた。「年間の医療費が3兆ドル(約359兆円)の国家で、国民がこんな選択を強いられるなんて、受け入れがたい現実です」と彼女は言った。

今回の社会起業家大賞では、優勝したウィリアムズの他に、最終選考に残った5人に10万ドルが授与された。優勝賞金は50万ドルのうち25万ドルが現金、残り25万ドルはフォーブスの媒体利用権という形で授与された。2506名の応募者の中からウィリアムズ率いるSIRUM社が選ばれた。応募条件は「30歳以下で、世界を良くするために何かをしようとしている者」ということのみだった。下記にファイナリスト5名を簡単にご紹介する。

ポール・デュアン(23)
ビッグデータを活用し政府機関やNPOの業務の効率化を図るBayes Impact社の創業者。

ヘザー・コンキャノン、エリザベス・グエン(ともに27 歳)
マサチューセッツ州で共同体住宅、the Lucy Stone Co-Op houseを運営。

アマラ・ハンフリー(27)
データサイエンスの活用で教育現場の効率化を推進するGooru社の共同設立者。

ダニエル・ユー(22)
スマートフォンを活用し、開発途上国の医療施設の運営をサポートする。

ゴビンダ・アップアディ―(27)
安価な手作りソーラーLEDランプを開発するLEDsafari社の創立者。開発途上国の子どもらが、電気の明りの下で学べることを目標とする。

文=サマンサ・シャーフ(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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