その他地域での米軍事作戦のコストは?
イラン攻撃に先立ち、米軍はベネズエラ近海に展開している。米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)の試算によれば、この軍事プレゼンス増強は米政府に1日あたり約3100万ドル(約49億円)の費用負担となった。ブルームバーグは2月、ベネズエラ関連作戦にかかった米軍の総コストは30億ドル(約4700億円)を超えた可能性が高いと報じている。
中東では、ブラウン大学の「戦争のコスト」プロジェクトの推計に基づけば米国は2023年10月~25年9月に315億~337億ドル(約4兆9000億~5兆3000億円)を費やしている。これにはイスラエルへの軍事援助の他、イラン、イエメン、中東全域での作戦が含まれる。
同大の研究チームは2021年、9.11米同時多発テロ以降の米国の軍事支出を5兆8000億ドルと見積もった。ただしこの金額は、退役軍人の医療費や米国内の対テロ対策など、直接的な軍事作戦以外への支出も含んでいる。
「戦争のコスト」には家計負担増や人的被害も含まれる
軍事作戦の費用は、米イラン戦争にかかる総コストと経済的影響の一部にすぎない。既に今回の作戦は石油・天然ガス価格の急騰につながり、旅行費用の高騰やインフレ加速の脅威となっている。攻撃開始を受けて週明けの株式市場には動揺が広がったが、その後持ち直した。しかし、ガソリン価格の上昇が続けば、すでに苦しい一般家庭の家計を直撃するだろう。
この戦争ではイスラエルとイランも数百万ドル規模の軍事支出を行っており、計り知れない人的被害をももたらしている。イランでは3日時点で700人以上の死亡が報告されており、中央軍によれば少なくとも6人の米軍兵士が戦死した。イスラエル、アラブ首長国連邦(UAE)、オマーンなど中東諸国でも、空爆により複数の死者が出ている。


