この2年間、職場におけるAIをめぐる会話の多くは、生産性を中心に展開してきた。どうすれば成果物を増やせるのか。どうすればタスクを自動化できるのか。どうすればコストを削減できるのか。
いずれも重要な問いである。だが、それでも焦点は効率性に置かれている。一方、組織における真のパフォーマンスのブレークスルーは、スピードだけから生まれるわけではない。チームが難しい問題をどれほど深く考え抜き、共に意思決定できるかから生まれる。
それこそが、私たちが長年注力してきた仕事である。より率直で、より包摂的で、最終的により効果的なかたちでチームが協働できるよう支援することだ。AIが登場するはるか以前から、私たちは現代のチームがどのように違った働き方をしているのかを研究してきた。ハイブリッドなコラボレーションに関する初期研究から、より多くの声が成果に反映される共有デジタル文書の台頭まで。AIは、その進化における次の大きな跳躍である。
AIに関して私が本当に「なるほど!」と思ったのは、メモを書いたりレポートを要約したりする様子を見たときに得られたものではない。チームのためにAIが何をできるのかを目の当たりにしたときに訪れた。具体的には、人間が共創するやり方を根底から改善し、より速く着地させる力だ。グループが洞察を引き出し、足並みをそろえ、意思決定する方法をアップグレードすること。
このことを明確にしてくれた、最近の2つの変革がある。
ケーススタディ1:散在するチームの声を「集合知」に変える(大手航空会社)
『AI-Driven Leader』の著者でもある同僚のジェフ・ウッズは、激しい運営上のプレッシャーにさらされていた時期に、ある大手グローバル航空会社の経営層と現場の運用リーダーたちと取り組んでいた。天候による乱れ、人員配置の課題、遅延の連鎖が、部門横断チームに巨大な負荷をかけていた。
異なるチーム(運航、乗務員スケジューリング、顧客体験、整備)はそれぞれ、システムの一部分しか見えていなかった。誰もがアイデアを持ち、誰もが懸念を抱えていた。だが、それらの洞察は別々の会議や受信箱、チャットスレッドに分断されていた。
そこで彼は、構造化されたAI主導のコラボレーションセッションを複数回実施した。何が変わったのか。
1. 大きな声だけでなく、あらゆる声が拾われた
ライブの議論だけに頼るのではなく(発言時間は常に偏る)、数十人のリーダーと最前線のマネジャーから、同時に構造化された入力を集めた。
・最大の破綻はどこで起きているか?
・どのようなトレードオフを強いられているか?
・口に出して言うのが怖い解決策は何か?
AIは、グループディスカッションの前にこれらの入力を統合するために使われた。決めるためではない。パターンを浮かび上がらせるためである。
数分のうちに、リーダーたちは次のことを把握できた。
・部門横断で繰り返し現れる主要な摩擦点
・まだ表面化していない新たなリスク
・サイロを横断するテーマ(たとえば、乗務員スケジューリングの判断が、その2段階先のカスタマーサービスの復旧にどう影響しているか)
会議を意見から始めるのではなく、共通の見える化から始めた。これにより、かつてなら6カ月かかったことを2時間で達成できた。経営層にどれほどの時間が戻るかを想像してほしい。
ウッズはこう述べている。「AIを思考のパートナーとして使うと、チームの集合知を数カ月ではなく数分で解き放てる。今回の取り組みで驚かされたことの1つは、人は通常、口に出しては言わないことをAIにははるかに多く共有するという点だ。言うべきことを言うための政治的資本を支払う必要がないからである。これは政治的介入なしに真のアラインメントを生み、組織が価値実現までのスピードを達成するやり方を変革する」
2. リーダーは情報収集ではなく、判断に時間を使った
ライブの議論が始まる時点で、会議の半分を「何が起きているのかの認識合わせ」に費やす必要がなかった。彼らがしていたのは、トレードオフの議論、意思決定の妥当性検証、最終判断である。
AIがコラボレーションを置き換えたのではない。チームを情報過多と不整合に縛り付ける、通常の摩擦を取り除いたのだ。その瞬間、私はこう思った。私たちは、チームワークのための新しいオペレーティングレイヤーを目にしている。



