米国政府は、地熱エネルギーの商業化に向けた発電実証試験および探査掘削を支援するため、1億7150万ドル(約257億円)の助成金を提供する。
この資金提供を主導するのは米エネルギー省(DOE)で、「次世代地熱実証試験および地熱資源特性評価確認」と題した資金提供機会通知のもとで実施される。
DOE炭化水素・地熱エネルギー局のカイル・ハウストベイト次官補は2月25日、この助成金公募を発表した。
「この機会を通じた取り組みは、エネルギー供給の拡大、米国の家庭や企業のエネルギーコスト削減、そして米国のエネルギー覇権とイノベーションの解放というわれわれの公約を直接支援するものである」とハウストベイトは述べた。「これらの実証試験および掘削活動は、国内製造業の活性化、データセンターの成長促進、そして全国規模での手頃で信頼性が高く安全なエネルギーソリューションの提供という、地熱エネルギーの巨大な潜在力を実現する一助となるだろう」
地熱エネルギーとは
地熱エネルギーとは、地下のさまざまな温度と深度に存在する天然または人工の熱水貯留層を利用した、地球からの熱エネルギーと定義される。
「数フィートから数マイルの深さまで井戸を掘削し、地下貯留層から蒸気や高温水を汲み上げ、さまざまな用途に活用することができる」とDOEは説明している。
7州で発電を実施
米エネルギー情報局(EIA)によると、米国の地熱発電所は2023年に170億kWhを発電し、これは全国の事業用発電量の0.4%に相当する。
地熱発電所が稼働している州は以下のとおりである。
- カリフォルニア州
- ネバダ州
- ユタ州
- ハワイ州
- オレゴン州
- アイダホ州
- ニューメキシコ州
商業化推進に向けた連邦助成金
DOEの助成金は、複数回の助成ラウンドにおいて6種類のプロジェクトを支援する。
- 発電の可能性がある地点における増進型地熱システム(EGS)の実証試験
- 新規井戸の掘削または既存井戸への追加掘削を必要とするクローズドループ実証試験
- 既存井戸を活用した掘削を伴わないクローズドループ実証試験
- 375°Cを超える温度が見込まれる地点における次世代アプローチを用いた超高温・超臨界実証試験
- 発電を介さない熱エネルギーの直接利用に向けた次世代アプローチによる直接利用・熱利用実証試験
- 未調査の地質構造や地点でのデータ収集および試験を目的とした、次世代および熱水資源の探査・特性評価・確認のための掘削
DOEによると、米国には2050年までに国内送電網に少なくとも300GWの信頼性が高く柔軟な地熱発電を生み出し得る、未開発のエネルギー資源が存在すると考えられている。
同省の目標は、連邦政府が財政支援を行うことで地熱開発を拡大し、「民間投資を促進し、産業の成長を加速させ、国の地熱ポテンシャルの実現を支援する」ことである。
DOEは参加意向書の提出期限を3月27日に設定しており、助成金申請書の提出期限は4月30日となっている。



