キャリア

2026.03.05 16:00

実年齢より何十歳も「若い脳を保つ」ための8つの習慣

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読者の中にも「若返りの泉」を探している方もいるかもしれない。だが、鎮静剤や美容整形手術では、若返りの夢はかなえられないようだ。若さの秘訣は、実は思考様式や生活習慣の中にある。仕事によるストレスは、実際の年齢以上に人を老け込ませかねない。20代から30代にかけて、疲労が絶えない生活を送りながらストレスに向き合っていると、体を構成する細胞に変化が生じて、老け込みや燃え尽き、早死につながるおそれがある。

高齢でも、若い人に匹敵する認知能力を備える「スーパーエイジャー(superager)」になるために、若いうちから実行すべき生活習慣が、科学者によって明らかにされている。長生きし、長く働けるようになるこれらの生活習慣は、単に睡眠や食事に注意し、運動をする、といったものにとどまらない。

「スーパーエイジャー」化を阻む、考え方の悪いクセ

マックナイト脳研究財団(MBRF)の調査では、米国人の3分の1が、通常の脳の老化について十分な情報を得ていないことがわかった。その一方で実に87%の人が、年齢を重ねるにつれて、加齢に関連する記憶力の低下や脳機能の低下を実感し、懸念を抱いていることも明らかになった。

しかしこうした能力低下は、年齢によってのみ起きるとは限らない。

実は、ストレスによる衰えや、ストレスへの対応の仕方が、実年齢よりも若々しい心身を保てるか、逆に老け込んでしまうかを分ける要因になっている。心にかかるストレスの重荷を背負うのは、他ならぬ「体」だ。顔面の筋肉が動くことによってできる、眉間の深いシワや額の横ジワは英語で「worry line(心配の線)」と呼ばれるが、これにはれっきとした理由がある。これは、抑え込んできたストレスが体に現れているサインなのだ。

ノーベル生理学・医学賞受賞者のエリザベス・ブラックバーンと、健康心理学者のエリッサ・エペルの両氏は、私たちの寿命やキャリアを縮める、否定的な思考の悪影響について研究を行なった。その結果は、両氏の著書『細胞から若返る! テロメア・エフェクト 健康長寿のための最強プログラム』(邦訳:NHK出版)にまとめられている。

両氏は、テロメア(染色体の末端部分にある構造で、染色体の端を守る「キャップ」のようなもの)が細胞の老化スピードを決めること、さらには、これが人の寿命や健康に与える影響について解説している。テロメアが長くなると、細胞レベルで老化プロセスがスローダウンし、寿命が長くなり、より長く働けるようになるという。

一方、テロメアが一定の長さより短くなると、その細胞は増殖を停止し、老化する。ブラックバーンとエペルの両氏は、テロメアの短縮につながる5つの有害な思考パターンを特定した。これは、早期の老化や、キャリアの終了にもつながるものだ。

1. 他の人を否定的に捉えがちな傾向:ふつふつと湧く怒りを溜め込んでいたり、頻繁に「他の人は信用できない」「ずっと攻撃されている」といった思いを抱いたりしていると、テロメアが短くなる。これは、心臓血管系の病気や代謝に関する疾患、さらには早死につながるとされている。

2. 悲観主義:人生のネガティブな面ばかりを見たがる傾向は、テロメアの短縮につながる。

3. 反芻するクセ:交際相手との口論を何度もプレイバックするなど、気がかりなことを頭の中で繰り返す行為がこれにあたる。こうした行為によるストレスは、そうする理由がなくなったあとも、体に長いあいだ残り、心拍数の上昇や高血圧の長期化につながるほか、「ストレスホルモン」とも呼ばれるコルチゾール値の上昇などを引き起こす。この状態が長引けば、テロメアの短縮や老化の進行に関連して、うつ状態や不安な心理状態が引き起こされるおそれがある。

4. 思考の抑圧:ネガティブな考えや気持ちを抱くことを意識的に避ける、あるいは抑圧することも、テロメアの短縮につながるとされている。

5. 心の迷走(マインド・ワンダリング):心が迷走すると、「今、ここ」に集中している状態よりも、ストレスが高まる。こういう時には、まだ支払いを済ませていない請求書や未完成のプロジェクトについて気をもみがちだ。こうして生まれたストレスにより、テロメアが短くなるおそれがある。

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翻訳=長谷睦/ガリレオ

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