「念のため付言すると、米国防省はこの制限が、商業的に取得した個人情報または識別可能な情報の調達や使用を含め、米国市民または国民の意図的な追跡、監視、モニタリングを禁止するものと理解している」と同氏は書いている。
両方の条項は、契約で指定された法律の下で国防総省が米国人を合法的に監視し得ることへの懸念を和らげることを目的としていた。
米国防省は、米国人の個人情報への相当量のアクセスを購入している。同省はBabel Streetの技術に関する複数の契約を結んでいる。同社はAIエージェントを使用して、ソーシャルメディアサイトや携帯電話の位置履歴を含むあらゆる種類のデータセット間の関連性を見出している。
契約記録によると、時価総額560億ドルの分析企業RELXが所有するLexisNexisは、米国防省に「包括的な個人的つながりを明らかにするオンライン本人確認サービス」であるSmartlinxと、「340億件以上の最新公開記録への直接接続」を提供するAccurintというツールを提供している。国家安全保障局も「ネットフロー」データ、つまり本質的には人々のオンライン活動の足跡を購入しており、これにより人々がどのウェブサイトを訪問し、どのアプリを使用しているかが明らかになり得る。
2月26日のブログで、アンソロピックのアモデイは、強力なAIがこれらすべてのデータに対して解き放たれた場合に何が起こり得るかを予見しているようだった。数秒でAIは情報を漁り、個人が居住・勤務・訪問した場所、特定の政治集会や礼拝所、中絶クリニックに行ったかどうか、移民ステータスなどを把握し得る。米国外の個人との通信と組み合わせれば、AIはあらゆる個人について多くを推し量れる。
人間のアナリストが地道な調査作業を行わなければならなかった時代には、このような大規模監視は事実上不可能だった。だがAIは新たなパラダイムを提示している。「新しいAIシステムは、市場で入手可能な他社の既存ツールよりも強力で、これらのデータセットを分析し、大規模に人々について推論を導き出す能力に優れている」とACLU(米自由人権協会)国家安全保障プロジェクトの副ディレクター、パトリック・トゥーミーは述べる。
データ産業を調査するウィーン拠点の研究機関Cracked Labsの研究者ウルフィー・クリストルは、政府が個人データを購入し、監視なしに令状のない監視に使用することはすでに「極めて危険」だと述べる。「こうしたデータが不透明で、しばしば機能不全を起こすAIシステムに投入されれば、これらのリスクはさらに深刻化する。エラー、バイアス、説明責任の欠如が害を増幅させる可能性がある」とクリストルは付け加える。


