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2026.03.04 12:30

OpenAI、「大規模監視はしない」という一線を曖昧に 米国防総省との新契約で

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Andrew Harnik/Getty Images)

OpenAIのサム・アルトマンCEO(Andrew Harnik/Getty Images)

アルトマン自身の言葉を借りれば、ここ数日の目まぐるしい出来事は、OpenAIトップの肩に重くのしかかっている。

米国時間2月27日、同はライバルのAnthropic(アンソロピック)から米国防省の契約を奪い取った。アンソロピックは、同社のダリオ・アモデイCEOが完全自律型兵器と国内大規模監視へのAI使用に契約上の制限を求めたことで、契約交渉が決裂していたのだ。

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アンソロピック、米国防総省に対し「レッドライン」設定 AI企業で広がる可能性

アモデイは米国時間2月26日のブログ投稿で契約に関する問題点を説明した。アンソロピックとしては、いかなる機関であれ、Claudeを用いて大規模データセット間の関連性を結びつけ、市民の私生活を詳細かつ正確に描き出すことを望まないという。しかも令状なしで、それが可能になるからだ。

アモデイは、米国政府がデータブローカーから人々の位置情報、ウェブ閲覧履歴、その他の情報を含む大規模データセットを購入していることを指摘。AIはこれらすべてのデータソースを統合し、特定の個人や集団全体について推論を行うために使用される可能性があり、これは前例のないプライバシー上の脅威となる。

その後、2月27日の夜の数時間で、両者間の協議は完全に決裂した。報復として、米国政府はアンソロピックを「サプライチェーン上の脅威」に指定し、事実上、連邦政府との契約から締め出した(アンソロピックは提訴する予定だと表明している)。

当初、アルトマンは妥協案を見出したと主張し、OpenAIは国防総省との合意が同社の「レッドライン」を守っていると説明した。そのレッドラインには、同社のツールが国内大規模監視に使用されないという規定も含まれていた。その後、同社はブログ投稿で、自社のAIは合法的な目的に使用可能であり、個人情報の取り扱いは国防総省が遵守する複数の監視関連法に準拠すると述べた。

これには外国情報監視法(FISA)が含まれる。同法は米国防総省内の物議を醸す国家安全保障局(NSA)に広範な権限を与え、米国市民と外国の個人や団体との通信を収集することを認めている。また、大統領令12333号も含まれており、これは外国のターゲットからの一括データ収集を許可するもので、相手が米国人と通信しているかどうかは問わない。「AIシステムは、これらの権限に整合するかたちで、米国人の個人情報の無制限な監視には使用されないものとする」と契約書には記載されている。

反発は即座に起きた。AI政策と法律の専門家たちは、FISAと大統領令12333号がこれまでも米国市民への広範な監視を許容しているとして批判されてきたことを指摘した。また、国防総省が商業的に取得したデータにOpenAIのモデルを使用することを阻止する規定も見当たらなかった。

「OpenAIは事実上、情報機関の辞書を採用した。その辞書では、一般的な英語の単語が何十年もかけて慎重に再定義され、禁止しているように見えることをまさに許可するようになっている」とTechdirtのマイク・マスニックは述べている

ユーザーの反応も顕著だった。SensorTowerのデータによると、米国時間2月28日にはChatGPTモバイルアプリのアンインストールが前日比295%増加し、TechCrunchによればアンソロピックはAIチャートのトップに躍り出た。

米国時間3月2日の夜、アルトマンは批判の大波に応じ、社内メッセージをXに投稿した。その中で、同社は国防総省との契約を修正し、自社のAIが「米国市民および国民に対する国内監視に意図的に使用されてはならない」と明記する新たな文言を追加すると述べた。また、この契約により、NSAのような米国防省の情報機関は「契約の修正」がない限りOpenAIのツールを使用できなくなるとも述べた。

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