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2026.03.04 11:30

アンソロピック、米国防総省に対し「レッドライン」設定 AI企業で広がる可能性

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Forbes.comのパウロ・カルヴァオが既報したとおり、アンソロピックは昨夏、最大2億ドル規模の国防総省契約を締結している。今回の対立は、テックセクターと米国政府の間にある緊張、そして「国家安全保障と安全性をめぐる競合するビジョン」を浮き彫りにした。アンソロピックは、一定の制約の撤廃を求める国防総省の要求に抵抗してきた企業である。

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「これは権力の極端な濫用の例だ。国防総省は、ツールの使用に関するアンソロピックの倫理ルールをすべて撤廃させようとしている。そして、まともな人間なら誰もそんなことはしないから、国防総省は彼らを破壊すると脅し、倫理ルールがどういうわけか安全ではないと主張している」。エンダール・グループのテクノロジー業界アナリスト、ロブ・エンダールはそう語った。

エンダールはメールで、国防総省による利用禁止のいかなる部分も筋が通らないと述べた。

「倫理的なツールが不要なら、倫理的でないものを作るか買えばよい。しかし、倫理を守ることが製品を危険にするなどと主張するのは、ブレーキが危険だから外せと自動車会社に言い、従わないなら道路を走らせないと言うのと同じだ」。エンダールはこう付け加えた。

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全米での利用禁止

国防総省がこの「利用禁止」を進めた手法も、法的に適切に処理されたのかを含め、重大な疑問を提起している。

「全面的な禁止は、適切に進める必要がある。すなわち、資格停止(debarment)の手続きを経て、最終的には通常、米連邦地方裁判所に持ち込まれる」。法律事務所タリー・リンキーPLLCのワシントンD.C.オフィスのマネージングパートナー、ダン・マイヤーはメールでそう記した。

「行政手続法が適用され、判断基準はその決定が『恣意的、気まぐれ、裁量の濫用、またはその他法に反するもの』かどうかだ」とマイヤーは付け加えた。

危険性は誇張されている可能性

Claudeがなぜ、どのように利用禁止になったのかという点に関しても、アンソロピックだけが、政府とりわけ軍が新興AI技術を利用する方法に条件を設けているわけではないことは指摘しておくべきだ。

週末には、人気のChatGPTプラットフォームの開発元であるOpenAIが3つのレッドラインを発表した。これにも、国内での大規模監視、完全自律型兵器、「重大な影響を伴う自動化された意思決定」に同社の技術を用いることの禁止が含まれている。

国防総省はこれらの条件を受け入れた一方で、Claudeの継続利用のために同様に受け入れることは拒んだ。他社も条件設定に追随する可能性があり、国防総省がどう対応するのかという疑問が生じる。

「主要AI開発企業がすべて、ここでのアンソロピックの立場を取り、同じ『レッドライン』アプローチを維持するとすれば、国防総省と米国防衛への影響は重大になる」。北カリフォルニア拠点のベンチャーファイナンス弁護士、リンジー・ミニャーノはそう述べた。

次ページ > 「将来こうした取り組みのもとで、AIがどこまで許されるかを決める権限を誰が握り、誰がその決定を下すのかを見るのは興味深い」

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