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2026.03.04 16:00

Notionの「カスタムエージェント」にも採用、中国AI「MiniMax」創業者の純資産が2倍超に

ヤン・ジュンジエ(Li Xukui/NBD/VCG via Getty Images)

ヤン・ジュンジエ(Li Xukui/NBD/VCG via Getty Images)

フォーブス「アルタイム・ビリオネア・リスト」(世界リアルタイム長者番付)において、中国の億万長者ヤン・ジュンジエの純資産が78億ドル(約1.2兆円。1ドル=157円換算)となり、数カ月で2倍超に増えた。ヤンは、AIモデル開発企業MiniMax Groupの創業者で、会長兼最高経営責任者(CEO)を務めている。

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MiniMaxは1月、香港で6億1800万ドル(約970億円)の新規株式公開(IPO)を実施した。これ以来同社AI製品への需要が急伸し、世界中で顧客を集めていることが背景にある。

37歳のヤンの富は、上海に本拠を置く同社の持ち株に由来する。株価は上場価格から400%上昇しており、MiniMaxが中国時間3月2日に2025年度決算で市場予想を上回る結果を発表した後、中国時間3月3日には9.5%上げた。上場企業として同社が決算を公表したのは今回が初めてである。

MiniMax株は日中に一時21%高まで急伸した後、上げ幅を縮めた。投資家は、MiniMaxが巨額の損失を出している点を脇に置き、成長の可能性に目を向けたと、Everbright Securities Internationalの香港在駐証券ストラテジスト、ケニー・ンは語る。売上高は前年同期比158.9%増の7900万ドル(約124億円)に跳ね上がった一方、通期損失は300%超増の19億ドル(約2983億円)に拡大した。主因は、一部の優先株を含む金融負債の価値変動である。

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ヤンは年次決算の一環として公表した声明で、「当社のプラットフォームに寄せられる需要は、まったく新しい規模に拡大します」と述べた

2021年に設立されたMiniMaxの時価総額は現在2584億香港ドル(約5.2兆円。1香港ドル=20円換算)に達し、短編動画企業の快手(Kuaishou、2625億香港ドル[約5.3兆円])や、EC大手のJD.com(3204億香港ドル[約6.4兆円])といった、老舗の中国インターネット大手に迫っている。1月のIPO後に初めて億万長者の仲間入りを果たしたヤンは、同社のテキスト・音声・動画生成モデルが世界中で利用されるのを目の当たりにしている。

2025年売上の70%以上を海外市場を占める──NotionがAIエージェントの1つにMiniMaxを採用

MiniMaxによれば、昨年は売上の70%以上を海外市場が占めた。今年は、億万長者アイバン・ザオが共同創業者兼CEOとして率いる生産性ソフトウェア企業Notion(ノーション)など、新たな利用企業を獲得した。MiniMaxは、メールで配布した声明において、NotionのAIエージェントを選択できる「カスタムエージェント」機能の1つとして、MiniMax最新モデル「MiniMax M2.5」が採用されたことを明らかにした。

2月に公開されたAIモデル「MiniMax M2.5」は、ソフトウェイトのコードを書くなどの作業をこなせる。MiniMaxによれば、その性能は一部の点で、ダリオ・アモデイが率いるAnthropic(アンソロピック)の最新モデル「Claude Opus 4.6」に匹敵するという。ヤンは声明で、自社のAIがますます賢くなるとも予測した。

AIは道具から「協働し、同僚レベルのパートナー」へ進化すると、ヤンは声明に記した。さらに、よりそのまま使える中〜長尺のコンテンツを、ストリーミングに似た形式で生み出すようにもなるという。ヤンは「商業化の取り組みを深め、世界市場での機会を拡大し、より高度な知能によって世界中のユーザーとパートナーを力づけていきます」と述べた。

forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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