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2026.03.05 11:30

利益倍増でも従業員4割解雇、ジャック・ドーシーのBlockが断行した「AI代替」の果実と危険な罠

Joe Raedle / Getty Images

ドーシーは、大幅な人員削減を断行し、その穴をソフトウェアで埋めるという賭けに出た。この動向は、今後あらゆる産業の従業員が直面し得るリスクだと言える。ブロックの株価は一晩で25.6%急騰し、その後は落ち着きを見せたものの、最終的に16.4%高で取引を終えた。

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株主は、事業に支障をきたすことなく大規模な人員削減が可能だと信じたがっている。取締役会はCEOに対し、いつコスト削減の効果が現れるのかと詰め寄り、その圧力を受けたCEOは、AIによって何が根本的に変わるのか不透明なままでも導入を急がせる。しかし、そもそもAIは数十年前から様々な形で存在してきた。例えば、スペルチェック機能を利用する際、我々はAIシステムを利用しているのだ。

AIによって企業は大規模な人員削減が可能になるかもしれないが、こうした主張は決して新しいものではない。数十年間にわたり、新技術の提唱者たちは「自分たちの製品がビジネスと生活を完全に変える」と繰り返し主張してきた。それが現実となる場合もあるが、実際には当初の予想よりもはるかに長い期間を要するものだ。

しかし、株主や取締役、そしてCEOの全員が「AIを機能させなければならない」と決断したとき、大規模な人員削減が起こるだろう。皮肉にも、ガートナーはAI導入を理由にカスタマーサービス部門を削減した企業の半数が、同様の業務を遂行するために再び人材を雇用することになると予測している。

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同様の事態は、技術職にも及ぶ可能性が高い。しかし、そこには多くのリスクが潜んでいる。大量失業の発生や、それを支える社会的セーフティネットの不備に加え、企業がより複雑で高度な役割を担う人材を長期的に育成できなくなる懸念、さらには経済全体に波及する悪影響も想定される。

失業者の増加は経済に下押し圧力をもたらし、結果として企業の顧客基盤を縮小させる。たとえ短期的な利益が魅力的に映ったとしても、こうした方針は不要なリスクを伴う危うい経営判断であると言わざるを得ない。

forbes.com 原文

編集=朝香実

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