キャリア

2026.03.03 20:51

目的意識と「認められている実感」がハイパフォーマンスを生む理由

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LaRae QuyはMental Toughness Centerの創業者兼CEOであり、オンライン研修プログラム「Secrets of a Strong Mind」のプロデューサーである。

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逆境や突然の変化に直面すると、自分の目的を問い直すのは自然なことだ。「私は価値あることをしているのか? どんなレガシーを残しているのか?」と自問する。喪失や病気、解雇やキャリアの停滞といった仕事上の激変によって人生が揺さぶられると、仕事が無意味に感じられ、自分が見てもらえている、役に立っている、影響を与えられる存在であり続けるにはどうすればよいのかと迷う。

FBIの防諜(ぼうちょう)捜査官として、私はそうした問いに何度も向き合った。逮捕や法廷での証言で終結する刑事事件とは異なり、スパイ事件は結論が出ないまま何年も続くことがある。国家安全保障を守る一助になっているとはいえ、誰も刑務所に行かないのなら、自分の仕事は本当に意味があるのだろうか、と考えることもあった。

犯罪やスパイ活動と闘うことを生業とする人は少ないが、私たちは皆、価値を認められたい、そして価値を生み出したいという深い人間的欲求を共有している。「どうすればもっと上に行けるか?」ではなく、「今いる場所でどうすれば違いを生み出せるか?」と問うべきなのかもしれない。

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目的をめぐる要点

私たちの人生や仕事が意味を帯びるのは、他者から大切にされていること、そして世界に価値を提供できることが一因である。目的は固定されたものではなく、成長とともに変化し得る。内省、目標との整合、意味のある仕事、支え合える関係性は、時間をかけて目的意識を強めていく。

心理学では目的を「個人的に重要な長期的願望に向かって努力しようとする、私たちの動機づけ能力」と定義する。目的は、方向性を与え、日々の努力を価値あるものに感じさせる指針である。より高いウェルビーイングにつながり、燃え尽きの予防にもなる。目的は、自己価値、有能感、価値観、貢献という、自己の重要性を支える柱を強化することで意味を育む。

「大切にされている実感」とウェルビーイング、そして高い成果を結びつける4つの柱を挙げよう。

1. 自己価値を強化する

根本的に、私たちは皆、価値ある人間でありたいと願っている。これが欠けると、人生の意味は大きく損なわれ得る。自分の思考や行動が自己価値を強めているのか、それとも損なっているのかに気づくことで、自己価値は強化できる。破壊的な行動は罪悪感や羞恥心を生み、価値観と一致する行動は自信と尊厳を取り戻させる。

最も価値がないと感じている人であっても、人には本来的な価値がある。それでも、正直でいられ、失敗し、修復できる関係性の中でこそ、自己価値は育ちやすい。

私からのヒント:

• ありのままの自分を受け入れてくれる同僚との関係を求める。自己価値は、安全で相互的なつながりの中で育つ。

• 自分のセルフイメージを更新する。避けがちな意味のあるタスクを選び、小さなステップで完了させる。「これは、自分に能力とコミットメントがある証拠だ」と意識的に言い聞かせる。

2. 能力を築く

有能だと感じること——課題に対処できると分かっていること——は、コントロール感と意味を生む。自分の能力を疑うと、目的意識はしばしば低下する。

FBI時代、私の能力は常に試された。成功は逮捕ではなく、外国の諜報活動を妨害する、情報を守るといった、目立たない勝利によって測られた。世間の評価とは無関係に、自分がうまくやれたと分かることに満足感があった。能力そのものが報酬となったのである。

私からのヒント:

• 自分が特に有能だと感じた場面と、それを可能にした条件を思い出す。

• その経験を土台にする。チームメンバーとともに新たな挑戦を探し、技能を磨き、伸ばす。習熟の経験を重ねるたびに、自信と目的意識が強まる。

3. 価値観を優先する

価値観は意思決定を導き、道徳的な羅針盤となる。何かが「しっくりこない」と感じるとき、それは中核となる価値観から外れているサインであることが多い。人生の早期に形成される価値観は家族、文化、宗教に由来する場合もあるが、大人になると定期的な見直しが求められる。状況や責任が変化すれば価値観も変わる。25歳で最も重要だったことが、45歳ではそれほど重要ではなくなることもある。

自分の「北極星」を確認し続ければ、人生と仕事を本当に大切なものと整合させられる。「私に意味を与えるものは何か? 喜びや満足をもたらすものは何か?」と問うとよい。

答えが所有物や権力にしか向いていないなら、再調整の時期だろう。真の成熟とは、自分だけでなく他者も高める価値観に基づいて生きることだと、私は学んだ。

行動を中核の価値観と一致させることは、真正性と自己尊重を育む。人生は外部の圧力や比較に左右されるのではなく、自分で舵を取っていると感じられるようになる。これは自尊心と「大切にされている実感」の双方を強める。

私からのヒント:

• 自分の中核の価値観を明確にする(例:誠実、勇気、奉仕、創造性)。

• その価値観を表す小さく具体的な行動を毎日1つ選ぶ(たとえば、勤務時間に境界線を引く)。時間をかけて、小さな誠実さの積み重ねが強い整合感と目的意識をつくる。

4. 他者に貢献する

世の中が自分中心に回っているかのように生き、自己にしか関心がなく、他者のニーズに無関心な人がいることを、私たちは皆知っている。しかし、情緒的成長とは、人生が自分だけのものではないと理解することを伴う。私たちはつながり、貢献し、共通の人間性を肯定し合う関係の中で所属感を得るようにできている。

研究は、他者を助けることが、つながりや重要感といった心理的欲求の充足に役立つ可能性を示している。自分の仕事が他者のためになっていると捉える人は、より良いウェルビーイング、前向きな気分、仕事満足度、成果を報告することが多い。貢献は内発的動機づけに火をつけ、燃え尽きを減らすことにもつながり得る。

FBI捜査官として、私の満足感の多くは、搾取されたり被害を受けたりした人々を助けることから得られた。貢献の実感は、仕事を意味あるものにする内的報酬となった。

私からのヒント:

• 「貢献ログ」をつける。どの若手同僚を、どのように助け、相手と自分にどんな変化があったかを書き留める。この振り返りは、意図的に与える習慣を強化し、何が最も効果的かを明確にする。

• 自分の強み(例:メンタリング、問題解決、励まし)を把握する。職場や地域社会で、他者を助けるためにその強みをどう生かせるかを探る。

• 信頼できる人に「私の貢献はどこが最も役に立っていると思うか?」と尋ねる。必要とされ、効果的な形になるように、与え方を調整する。

目的は地位や評価に左右されない。左右するのは意図である。本当の重要性は、価値観に基づいて生き、強みを伸ばし、他者に意味のある貢献をするときに立ち上がる。

上を目指して駆け上がろうとする代わりに、リーダーやプロフェッショナルは、今立っている場所で違いを生み出すことに集中できる。目的は肩書や達成の中にあるのではない。自分の人生には意味があるのだと、その都度選び取って生きることの中にある。なぜなら、私たちの人生は確かに意味があるからだ。その信念に基づいて行動するとき、私たちは花開き、周囲の人々もまた花開く。

forbes.com 原文

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