企業が「人材が見つからない」「定着しない」と嘆くとき、議論はたいていスキルギャップやカルチャーフィットへと向かう。
だが、話題に上りにくいものがある。労働力のなかでも最大級でありながら、見過ごされがちな層──ミレニアル世代のシングルマザーである。
彼女たちは労働経済ではなく、福祉や個人の自己責任というレンズで語られがちだ。その枠組みでは、要点を完全に取り違える。
「ひとり親は、結婚や家族構造と不均衡に結び付けられてしまう」と語るのは、シングルマザーの長期的な経済的自立を支援するJeremiah Programの社長兼CEO、チャスティティ・ロードだ。
「そこを直せば計算が合うようになる、という根深い思い込みがある。しかし、多くの場合、私たちは誤った論点を話している」
本当の問題は、彼女が言うように、意欲でもスキルでもない。価値あるこの層を締め出す仕組みそのものにある。
貧困の女性化は「労働力」の問題である
なぜシングルマザーが過小雇用に陥りやすいのかを理解するために、ロードが指摘するのが、彼女の言う「貧困の女性化(feminization of poverty)」である。これは、経済的不安定を個人の失敗ではなく、ジェンダー化された労働問題として捉え直す言葉だ。
「女性は低賃金職に不釣り合いに多く集中している。小売、保育、ホスピタリティなどだ」と彼女は説明する。「そうした仕事があるのは柔軟性が理由だが、同時に、経済の中でも最も低所得な仕事の一部でもある」
その柔軟性には代償がある。予測可能なシフト、有給休暇、保育支援のない時給労働では、長期的なキャリア形成はほぼ不可能になる。シフトを1回休めば無給だ。休みが重なれば、職そのものを失いかねない。
そこにケア責任が重なり、保育の全国的インフラが欠けている状況が加われば、計算はたちまち破綻する。
「病院の請求書は2人分にはならない。1人に来る」とロードは言う。「法定の育児休暇もない。多くは労働者階級で、働かなければ賃金は発生しない。その遅れはすぐに複利的に膨らむ」
こうした構造的課題の一部への答えとして、ロードはJeremiah Programの2026 Summit Weekendをマサチューセッツ州ボストンで開催する予定だ。500人超のシングルマザーと、2500人のオンライン参加者を招集し、全国のコミュニティベースのパートナーも交えて実施する。目的は、キャリアと生活の質に関するリソースを提供することにある。
保育は制約条件である
保育補助制度自体は、Child Care Development Fundを通じて設けられている。だが実際には、ロードによれば、対象となる家庭のうちごく一部にしか届いていない。
「素晴らしい法律だ」と彼女は述べる。「しかし、必要な水準で資金が確保されていないため、恩恵を受けられるのは対象家庭の約15%にとどまる」
その結果、多くのシングルマザーは、年間平均およそ1万2000ドルの民間保育市場を自力でやりくりすることになる。これは多くの世帯にとって所得の3分の1近くに相当し、家賃、交通費、医療費を考慮する前の段階である。
そして保育の課題は、幼稚園で終わるわけではない。
「学校が3:15に終わるのは、まるで農耕社会に生きているかのようだ」とロードは言う。「その後に学童、夏休みの預け先、学校休暇がある。そうした費用は突然発生し、人々は別の出費やトラウマを生むようなトレードオフを強いられる」
つまり、意欲不足として語られがちなシングルマザーの過小雇用は、構造的な放置の反映にほかならない。
「保育がないのに、どうやって面接に行けるのか」と彼女は問う。「保育費を払うには仕事が必要だが、保育がなければ仕事を得られない。これは意欲の問題ではない。制度の失敗だ」
企業は「人材がいない」と言う。しかし、シングルマザーはすでにここにいる
最新の国勢調査データによれば、約3世帯に1世帯は単身の親が家計を担っている。そうした世帯のうち約80%は女性が世帯主であり、3分の1超が貧困線と同等かそれ以下で暮らしている。
「これは仮定の話ではない」とロードは言う。「計算が合わないのだ」
それでも多くの企業は、労働者に予測可能なスケジュール、金銭的な余裕、バックアップの支援があることを前提に仕事を設計し続けている。
「経営層が人材を定着させられないと言うとき、往々にして短距離走のために設計している」と彼女は説明する。「四半期ごと、という具合に。しかしキャリアはマラソンだ。経験の多様性を織り込まなければ、コストはむしろ高くつく」
一部の企業は、そうした前提を見直し始めている。
ロードが挙げるのは、時給制の職種で働く女性が多いUlta Beautyだ。同社は、パンクや保育の手配崩れといった予期せぬ出費が就労継続を脅かす場合に、従業員が無利子・手数料なしの融資を申請できる緊急財政支援プログラムを整えた。
「パンクは、単なるパンクではない」とロードは言う。「シフトを休むことになる。そして保育、家賃、あらゆるものに連鎖的に影響する。小さな中断が、すぐに雪だるま式に拡大する」
彼女はまた、生命保険に関するメッセージングにおいて、単身の親を意図的に中心に据えてきたNew York Lifeにも触れる。
「生命保険はぜいたくに感じられることがある」と彼女は言う。「しかしシングルペアレントの現実──何かあったとき、子どもの面倒は誰が見るのか──に沿って位置付ければ、戦略的になる。利他的か? そうではないかもしれない。だが、ビジネスとして良いのだ」
これは慈善ではない
労働力としてシングルマザーを支えることは、ビジネス上の必須事項ではなく「良いこと」の上乗せだという誤解が根強い。
ロードはその見方を真っ向から退ける。
「予算は道徳を映す文書だ」と彼女は言う。「何に資金を投じるかは、何を重視しているかを示す。企業が家族を念頭に置いて意図的に設計すれば、定着、エンゲージメント、安定性を得られる」
さらに重要なのは、その影響が連鎖することだ。
「ここを誤ると、傷つくのは親だけではない」と彼女は説明する。「子どもだ。コミュニティだ。3倍の害なのだ」
一方で、うまくやればリターンも同じだけ強い。
「素晴らしい母親は、3つ分の夢を見る」とロードは言う。「自分のため、子どものため、コミュニティのためだ。実際に労働力としてそこにいる人々を中心に据えれば、恩恵も3倍になる」
本当の問い
シングルマザーが労働力の大きな割合を占め、保育が安定した高賃金の仕事を妨げる主要な制約のひとつであるなら、本当の問いは「なぜ彼女たちは昇進できないのか」ではない。
雇用主と政策担当者が、彼女たちが存在しないかのように振る舞う前提で、なぜ仕組みを設計し続けるのか、である。
保育を経済インフラとして扱い、シングルマザーを「すでにそうである」労働力の原動力として捉えることは、個々の結果を変えるだけではない。人手不足を訴える経済のなかで、企業が人材、定着、成長をどう考えるかを作り替えるはずだ。
ロードの言葉を借りればこうだ。「これは慈善ではない。ただの、良いビジネスなのだ」



