テクノロジー

2026.03.08 09:00

グーグルとAIが、1990年代ナレッジ・マネジメントの「常識」を覆した

ブリン(向かって左)とペイジ(JOKER/Martin Magunia/ullstein bild via Getty Images)

2020年代にAIが本格化、膨大かつ無限の情報へとスケール

2020年代にAIが飛躍を遂げた時、グーグルはOpenAIやxAI/Grokといった他のAIリーダーと並んで、このさらに強力で応答性の高い技術を受け入れる態勢が整っていた。その核心的な哲学は、純粋な内部化ではなく「拡張」である。すなわち、検証可能な外部知識に基づかせることによってハルシネーション(AIの誤った情報生成)を回避し、絶えず再学習を行わなくとも知識を更新し、膨大かつ無限の情報へとスケール(規模を拡大)することである。これにより、巨大な成果が生まれた。

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1990年代型のナレッジ・マネジメントと比べると、AIの優位性は圧倒的だ。

量の優位:1990年代型KMが保管していたのは数万件規模の文書だったのに対し、2020年のグーグルは相互リンクされた4000億ページにアクセスでき、100万倍の優位があった

鮮度の優位:1990年代KM企業の知識は静的で、更新も散発的(例:年次レビュー、手動アップロード)であることが多かった。一方、現代のAI検索はリアルタイムまたはほぼリアルタイムのデータを引き出せる。日々数十億回のやり取りにより、より新鮮な現実世界の問いに対応できた

到達人数の差:1990年代型KMの到達範囲は、企業内の問い合わせとして企業あたり数千人〜数万人、せいぜい数十万人程度であったのに対し、グーグル検索は1日あたり150億件超の検索を処理している。ChatGPTは1日あたり25億件超のプロンプト/クエリを処理し、週次アクティブユーザーは8億人である

資金力と投資の規模: 1990年代/従来型KMの支出は、大企業でも年あたり「数百万ドル(数億円)規模」だった。これに対し、グーグル/アルファベットの設備投資は1000億〜2000億ドル(約15.7兆〜約31.4兆円。1ドル=157円換算)規模であり、OpenAIは2030年までに約6000億ドル(約94.2兆円)を見込んでいる。

こうした規模、速度、資金力、応答性では、1990年代型KMが競争できる余地はない。手持ちのグライダーが巨大なボーイング787型ジェット旅客機と競うようなものである。競争するのではなく、これらの巨人と建設的に協働する方法を見いだす必要がある。

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forbes.com 原文

翻訳=酒匂寛

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