働き方

2026.03.03 08:43

女性の離職は「意欲の問題」ではない。職場設計の失敗である

AdobeStock

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女性は仕事を辞めているのではない。職場から去っているのである。この違いを正しく捉えることが重要だ。そうして初めて、適切な解決策を設計できる。

Catalystによる全国調査の最新データは、長年の通説に終止符を打つ。女性が意欲に欠けるから労働力から離れているのではない。むしろ、職場が進化に失敗してきたために離れているのだ。これにより議論の前提は根底から変わる。課題は女性を「直す」ことではなく、仕事を「直す」ことにある。

いま目の当たりにしているのは、意欲の欠如でも人材供給(パイプライン)の問題でもない。露見しないまま放置されてきた設計不全である。女性は働きたいと思っている。成長し、リードし、最高水準で貢献したいとも望んでいる。だが、介護やケアを無視し、柔軟性を罰し、成果よりも「見えていること」を報い、長時間労働を献身と同一視するシステムの内側で働き続けることには、もはや応じない。これはFlipping Point®の瞬間である。

意欲が問題だったことは一度もない

Catalystのデータは、多くのリーダーがなお認めきれずにいる事実を裏づける。女性の意欲は低下していない。低下したのは、常時稼働を求め、仕事の外の生活を「気を散らすもの」として扱う時代遅れの構造に対する忍耐力である。

何十年もの間、女性は静かに適応し、柔軟に立ち回り、穴を埋めてきた。システムはその見えない労働に依存しながら、ほとんど評価しなかった。いま、女性は別の選択をしている。仕事そのものを手放すのではない。「機能しない仕事」から手を引いているのである。

これはリーダーシップと設計の課題である

優秀な人材が一斉に大量離職するなら、それは個人の選択の問題ではない。システムの問題であり、システムは再設計できる。いま女性をつなぎ留めている企業は、象徴的な特典や場当たり的な制度を提示しているのではない。仕事が実際にどう進むべきかを再設計し、対処療法から意図的な設計へと移行している。その再設計には、以下が含まれる。

  • 出社や滞在ではなく、インパクトで成果を測る
  • 時間ではなく、アウトカムを基準に役割を設計する
  • ケアを担う人だけでなく、全員にとっての柔軟性を標準化する
  • ケアを個人の問題ではなく、インフラとして扱う
  • 信頼、明確さ、人間性をもって率いるマネジャーを育成する

これは基準を下げることではなく、基準を現代化することだ。

なぜ、いま重要なのか

女性が去れば、組織はリーダー育成の道筋、組織知、文化への信頼、そして長期的な成長を失う。成功の定義を狭く設定した職場は、女性だけでなく、生活を丸ごと抱えて生きるすべての人を失敗に追い込む。「集団としてのマイノリティ」のために設計することは、誰にとってもより良いシステムを生む。

このFlipping Point®は機会である。意図が緊急性と結びついたとき、何が可能になるかを私たちは見てきた。パンデミックが起きたとき、職場は一夜にして変わった。100年以上ほぼ不動だったルールが、意思によって突然柔軟になった。そこから導かれる重要な示唆がある。やろうと思えば、何でも可能だということだ。

リーダーは、壊れたシステムに女性が適応することを求め続けることもできる。あるいは、意識と優先順位、そして意図的な設計によってシステムを再設計し、今日の世界をあるがままに受け止めることもできる。仕事の未来を規定するのは、最も耐え抜ける人ではない。方程式を変える勇気を持つ人である。

forbes.com 原文

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