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世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

フォーブスジャパン10月号より

毎年開かれるG1サミットからは様々な刺激を受けている。2010年の第2回以降、欠かさず参加を続けているが、ここでインプットしたことを実際に政策に活かしている。

今年から始まった「日本ベンチャー大賞」もそのひとつだ。賞の創設を思い立ったのは、G1サミットの場で多くの起業家に出会った影響が大きい。起業家はクールな人ばかりだと思ってきたが、“褒められると嬉しいし、励みになる”という声を聞き、彼らを顕彰する賞が必要だと考えた。大賞は「内閣総理大臣賞」。受賞者は総理から表彰されることになる。
 
政治家の役目は、法律をつくり、世の中をよりよいものにすることに尽きる。その際には、リーダーシップを発揮し、国民に“ビジョン”を提案していく姿勢が不可欠だ。この考えは、G1の「批判よりも提案を」「リーダーとしての自覚を醸成する」という理念にも通じる。G1の方針に共感を覚えることは多い。
 
政治家としての私のミッションは、「スマートな政府をつくること」。スマートな政府に求められるものは、損益計算書(P/L)と貸借対照表(B/S)、キャッシュフロー計算書を見ながら、国家を運営していく姿勢だ。企業経営者であれば、3つを見ながら、会社の経営をしていくのは基本中の基本。だが、こうしたアプローチをする政治家はまだ少なく、国家としても無頓着のまま。こうした状況を早急に変えていく必要がある。
 
たとえば、「外為特会」と呼ばれる外国為替資金特別会計。ここにいま、約1兆米ドル(約120兆円)という巨額の資産がある(対応する負債は政府短期国債)。これまでは為替の急激な変動に対して政府がこの特別会計を使って対応したが、為替はその国の中央銀行の金融政策の影響をうけるので、インフレターゲット導入で日銀が主体的な動きをしている現在、もはやこの特別会計の役割は終わっているのではないか。外為特会にある含み益(円安の影響で10兆円超え)を顕在化させ国の施策に回せばいい。
 
私は現在(記事掲載2015年8月25日時点)、内閣府副大臣として、地方創生、国家戦略特区を担当している。アベノミクス政策に加え、地方創生政策(地方版成長戦略&人口減少対策)で地方を活性化することで、スマートな政府の実現は大きく前進するだろう。

国家戦略特区の第2弾「地方創生特区」では大胆な規制緩和による地域経済の再生を目指している。秋田県仙北市では、広大な国有林の敷地を利用してドローン(無人自動飛行)の実証実験を行う予定だ。これだけに留まらず、医療や教育の分野でも規制緩和を促進し、日本各地でイノベーションを起こしたいと考えている。

G1「100の行動」とは
「G1サミット」の代表理事であり、グロービス経営大学院学長の堀義人が発起人となり、「G1政策研究所」のメンバーと議論しながら、日本のビジョンを「100の行動計画」として描くプロジェクト。どんな会社でもやるべきことを10やれば再生できる。閉塞感のあるこの国も100ぐらいやれば明るい未来が開けるだろうと、東日本大震災直後より開始した。現在、100の行動のうち、97までが公表されている。

笠井爾示 = 写真 野口孝行 = 構成

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