ブルームバーグの報道とポリマーケットの取引台帳データによれば、米国のイラン攻撃をめぐる賭け市場(攻撃開始のタイミングは昨年12月から今年6月までさまざま)の総取引高は5億2900万ドルに上り、2月28日の契約だけで9000万ドルに達した。
米ニューヨーク証券取引所の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)から昨年20億ドルの投資を獲得したポリマーケットは、政治賭博の主要な舞台となっている。
例外ではないパターン
イラン関連の賭けには、直近8カ月間に確立されたパターンがある。
2025年6月、「ricosuave666」名義のアカウントがイスラエル軍のイラン攻撃を正しく予測し、約15万ドルの利益を得た。その後イスラエルの検察当局は、イスラエル国防軍(IDF)の予備役兵が機密情報である攻撃計画を民間人に漏洩し、その人物が賭けを行ったとして2人を先月起訴。予測市場におけるインサイダー取引をめぐる初の刑事訴追事例となった。
今年1月には「Burdensome-Mix」というアカウントが、ベネズエラのニコラス・マドゥロ大統領の身柄拘束に3万2000ドルを賭けた。数時間後に作戦が行われたことが明らかになり、このアカウントは40万ドル以上を儲けた。この件は現在、米商品先物取引委員会(CFTC)が調査中だと報じられている。
イスラエルで逮捕者が出た後も、ポリマーケットのトレーダーたちに臆する気配はない。新たな事件が起こるたびに、疑わしい取引利益は膨れ上がる一方だ。
後手に回る規制
今回のイラン攻撃の3日前、CFTCはイベント契約と呼ばれる予測市場におけるインサイダー取引について、米国内法に違反すると警告する正式な勧告を出した。2月25日に公表された勧告文書「記者発表文9185-26」は、これまでで最も明確に、重要な非公開情報を持つ予測市場トレーダーが取り締まり対象となることを表明したものだ。
この勧告のタイミングを先見の明があったとみるか、あるいは遅すぎたとみるかは、見方によって異なる。


