生成AIの進化に伴い、米国テック業界では「計算資源」と「電力」の過酷な争奪戦が起きている。インフラ構築の成否が、企業の競争力を直接的に左右するからだ。
この熾烈な競争下において、グーグルの新たなAIインフラ責任者アミン・バダットがフォーブスの独占インタビューで今後の戦略を明かした。バダットは、同社が自社のデータセンター網に対して長期的な「多額の投資」を続けると明言した。 フォーブスが現在の投資水準を基に独自に計算したところ、その総額は今後1兆ドル(約157兆円。1ドル=157円換算)を超える可能性がある。
本稿では、圧倒的な収益力でOpenAIなどの競合を引き離すグーグルの投資戦略と、業界全体の課題であるエネルギー消費問題への対抗策を解説する。
グーグルのデータセンター支出、今後数年間で「相当規模の投資」に積み上がる見通し
グーグルのスンダー・ピチャイCEOは2月に行われた決算説明会の中で、同社は今年、AI関連の設備投資に最大1850億ドル(約29兆円)を投じると述べた。これは2025年に支出した900億ドル(約14.1兆円)の2倍超に相当する、驚異的な数字である。しかし、これは始まりに過ぎないのかもしれない。今年新たに設けられたAIインフラ担当チーフテクノロジストに就任したアミン・バダットは、フォーブスとの独占インタビューの中で、同社のデータセンター支出は今後数年間で「相当規模の投資」に積み上がる見通しだと語った。
「単純に数字で考えれば、10年という期間を想定し、今年が1750億ドルから1850億ドル(約27.5兆円〜29兆円)の水準であり、それが減少しないと仮定すれば、10年後には非常に大きな数字に達することは想像に難くない」と彼は述べた。
年間約29兆円というペースの支出で計算すると、10年間で約298.3兆円に達する
そこで、私たちは計算をしてみた。年間1850億ドル(約29兆円)を8年間継続すれば、支出額の合計は1兆4800億ドル(約232.4兆円)に達する。これは同期間におけるOpenAIの投資計画をやや上回る水準だ。これをバダットが言及したように10年間に延ばせば、その合計は約1兆9000億ドル(約298.3兆円)になる。
バダットは、今後10年間でそれだけの金額を投じると「約束したわけではない」と明言している。ただし、10年単位で物事を捉えるというこの姿勢は、グーグルの賭けがどれほどの大きさのものになるかを示している。「重要なのは、グーグルが最高水準の投資を行っている点だ」と彼は語った。



