経営・戦略

2026.03.05 11:00

グーグルのデータセンター投資が「約150兆円を超える」可能性 独占インタビュー

AaronP/Bauer-Griffin/GC Images

Cloud TPUに対する需要は、前例のない水準

グーグルのTPUは当初、自社インフラ専用の半導体だった。GmailやYouTubeといった個人向けアプリの運用、自動運転車の訓練、GeminiのようなAIモデルの開発および運用に活用されてきた。しかし、現在では業界で広く利用される存在となっている。エヌビディアの最上位プロダクトであるブラックウェルほどの人気はないものの、大規模なAIモデルの事前学習や運用に有用である。グーグルは2018年にクラウドサービス経由でTPUの提供を開始し、他社もその処理能力を利用できるようになった。近年ではアンソロピックとの大型契約を締結し、メタとも半導体利用について協議していると報じられている。モルガン・スタンレーは2025年12月、TPUが2027年までに130億ドル(約2兆円)を生み出す可能性があると述べた。特にここ数年においては、「Cloud TPUに対する需要は、前例のない水準であると言って差し支えない」とバダットは語る。

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データセンター投資の中核は電力の確保、しかし批判の対象にも

データセンター投資の中核は稼働に必要な電力の確保であるが、それはしばしば批判の対象となってきた。2025年8月、バダット、グーグルでチーフサイエンティストを務めるジェフ・ディーン、および10人の研究者と幹部たちは、AIの消費電力に関する論文を共同発表した。同論文によれば、Geminiに入力される一般的な量のプロンプトは、テレビを9秒間視聴するのと同程度の電力を使用し、水の消費量は約5滴に相当するとされ、これは「多くの公的推計を大幅に下回る」という(別の報告では、大規模データセンターは1日あたり最大500万ガロンの水を消費する可能性があり、これは最大5万人規模の町の水使用量に相当するとされている)。

消費電力をめぐる反発を受け、他のAI大手は電力コスト負担の拡大を約束している。2月、Claudeを開発するアンソロピックは、自社の電力使用に起因する家庭向け電気料金の上昇分を試算し、それを負担する方針を表明した。「アンソロピックの発表を見て非常にうれしく思った」とバダットは語り、「我々の立場についても、近いうちにより明確にするつもりだ」と付け加えた。

今後5年間で、よりモジュール化され再現性の高い設計へと移行すると予想

バダットが主張する最大の課題は、インフラの単なる拡張ではなく、インフラそのものの構築方法を再設計することである。彼は、今後5年間でデータセンターは個別設計中心から、よりモジュール化され再現性の高い設計へと移行すると予想している。標準化された設計図を用い、前例のない速度で、世界的な複製を可能にするという構想だ。この賭けこそが、AI分野における主要プレイヤーとしてのグーグルの地位を、長年にわたって確立させるものになるかもしれない。

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forbes.com原文

翻訳=江津拓哉

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