米国とイスラエルによるイランでの軍事作戦を受け、米国時間3月2日に原油と天然ガス価格は世界的に急騰した。この作戦に対する報復として、中東全域にある米国の同盟国に対する攻撃が行われ、エネルギー関連株は大幅に上昇する一方、株価指数は下落し、特に旅行業界は大きな損失を被った。
欧州の天然ガス先物(4月物)は、船舶で輸送されるガスの主要供給業者であるカタール・エナジーが2日に生産停止を発表したことを受け、42%急騰した。
原油先物価格も同日に大きく上昇し、北海ブレント原油先物は7.6%高の78.41ドルとなり、米国の原油先物は7.4%高の72.01ドルとなった。
資源価格上昇の恩恵を受け、エネルギー関連株は上昇した。石油大手のエクソンモービルは1.75%高、シェブロンは1.48%高となったほか、フランスのトタルエナジーズは1.6%高、天然ガス大手のシェニエール・エナジーは5.97%高となった。
一方、旅行関連株は大きな打撃を受けた。カーニバルは10.2%安、ノルウェジアン・クルーズ・ライン・ホールディングスは10.5%安、MGMリゾーツ・インターナショナルは3.7%安となった。
S&P500種株価指数、ナスダック総合指数、ダウ平均株価はいずれも市場開始時に1%近く下落した。
世界の石油の20%が通過するホルムズ海峡では、紛争の影響でタンカーの航行が事実上停止している。
中東地域の投資および観光の拠点であるドバイとアブダビを擁するアラブ首長国連邦(UAE)は、両都市がイランからの報復攻撃を受けたことで、金融市場への影響を抑えるために4日まで株式市場を閉鎖する。
2月28日、米国とイスラエルは共同で、テヘラン、イスファハーン、コム、ケルマーンシャーなどのイラン主要都市に対する空爆およびミサイル攻撃を実施した。これにより、イラン最高指導者のアリ・ハメネイ師は死亡し、アリ・シャムハニなどの高官も死亡した。ドナルド・トランプ大統領は今回の攻撃について、イランから差し迫った脅威を排除するために必要なものであると位置づけ、政府に対して立ち上がるようイラン国民に呼びかけた。トランプはまた、この作戦は「4週間以内」に終了する見込みであるとしつつ、その過程でさらに多くの米国人が死亡すると予想した。
米国の攻撃に対する報復として、イランは中東全域にミサイルおよびドローンを発射した。イスラエルを直接的な標的としたほか、バーレーン、クウェート、カタール、サウジアラビア、イラク、UAEなど湾岸諸国にある米軍基地や民間インフラを攻撃した。アブダビやドバイではこの報復攻撃により民間人の死傷者や負傷者が出て、建物にも被害が生じた。



