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2026.03.03 11:30

武力で核兵器の拡散を止めることはできない 中東情勢が示す現実

イランの首都テヘランで、米イスラエル両軍の攻撃により立ち上る煙。2026年3月1日撮影(Fatemeh Bahrami/Anadolu via Getty Images)

一方、イスラエル北部では、イランの支援を受けるレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラによる攻撃があり、イスラエル軍はレバノンの首都ベイルート南郊を空爆した。これにより、多数の死傷者が発生した。

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イランへの空爆は、同国の核開発を阻止するための作戦として正当化されて始まったが、今や地域紛争へと発展している。トランプ大統領は1日、動画を公開し、イランでの作戦は「世界がこれまでに見た中で最も複雑で圧倒的な軍事攻撃の1つだ」と述べた。その上で、「われわれの全ての目標」が達成されるまで攻撃を続けると宣言した。

もし主な目的がイランの核兵器取得を阻止することであれば、過去にも現在にもより良い方法があった。2016年にトランプ大統領が政権に就く以前、ウラン濃縮の制限や核施設の査察などを含む、イランの核開発の野望を厳しく制限する国際協定「包括的共同行動計画(JCPOA)」が存在していた。JCPOAの策定には欧米の主要国だけでなく、ロシアや中国も参加した。この協定は、イランの核兵器開発計画を阻止するために機能していた。

ところが、トランプ大統領は2018年、より良い合意が可能だと主張し、米国はJCPOAから離脱した。だが、中東地域全体で軍事行動が拡大している現状が、関係する誰にとっても「より良い合意」であるとは言い難い。核兵器の拡散を武力で阻止することは、核不拡散を促すことにはならず、むしろ逆効果になる可能性が高いというのが実情だ。現在の中東での軍事行動の激化がいつ収束するかは予測が難しいが、1つ明らかな教訓がある。核兵器の拡散を阻止するには、戦争ではなく外交こそが最大の希望であり、その取り組みには全ての国の核兵器の削減と最終的な廃絶が伴わなければならない。

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forbes.com 原文

翻訳・編集=安藤清香

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