リーダーシップ

2026.03.02 22:22

「理想のワークライフバランス」は人それぞれ——5世代の職場をまとめる方法

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マリー・ウンガー:Emergenetics International CEO

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Z世代は「出世競争を勝ち抜くことよりも、ワークライフバランスにより重きを置いている」ことをご存じだろうか。デロイトの2025年調査によれば、「キャリア上の最優先目標がリーダー職に就くことだ」と答えたのは6%にとどまる。次の働き手となるアルファ世代も同様の見方をしており、この傾向は当面続く可能性が高い。だからこそ、リーダーは、成果を持続させて従業員のエンゲージメントを高めようとする際に、世代ごとの異なる視点と動機を認識することが重要である。

ワークライフバランスは、世代によってよりオープンに語られる場合とそうでない場合があるかもしれないが、その影響は普遍的である。各従業員にとってそれが何を意味するのかを理解するために時間を割くリーダーは、メンバーが「耳を傾けられている」「大切にされている」と感じ、自分の力を発揮できる環境をつくれる。

なぜ「仕事と生活の統合」が重要なのか

健全な仕事生活と私生活を支えることは、組織全体に好影響をもたらす。2024年、SHRMは、ワークライフバランスの悪化が退職理由の上位3つの1つだと報告した。2025年のランスタッドのワークモニターレポートでは、「同レポートの22年の歴史で初めて、ワークライフバランスが賃金を上回り、最大の動機づけ要因になった」と明らかになっている。従業員はワークライフバランスについても具体的に求めるものがあり、79%が「柔軟な働き方」を優先し、64%が「柔軟な育児休暇」を望み、62%が「メンタルヘルスリソースへのアクセス」を重視している。これらのデータは、仕事と家庭生活の調和をつくることが、人材定着とパフォーマンス向上の重要なレバーになり得ることを示している。

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ワークライフバランスに関する世代別の期待

人それぞれ視点やニーズは異なるが、世代ごとに一定の共通傾向もある。ここでは、世代と一般的に紐づけられる出生年で整理する。

・サイレント世代(1925〜1945年生まれ):トラディショナリストとも呼ばれ、この年齢層は現在、労働者の約1%を占めるにすぎない。雇用においては、職の安定と忠誠心が最優先事項の一部であることが多い。

・ベビーブーマー世代(1946〜1964年生まれ):現在の労働力の約15%を占めるこの世代は、目的意識を重視する一方で、家族や個人の関心のためにエネルギーを温存する重要性も理解している傾向がある。オフィス外の生活を犠牲にせず、仕事への関与を保つことで調和を求める。

・X世代(1965〜1980年生まれ):労働力の約31%を占めるX世代は、キャリアと子育てや高齢の親の介護の責任を両立させていることが多い。決まった勤務時間と、必要に応じて家族の世話のために離席できる柔軟性を好む傾向がある。

・ミレニアル世代(1981〜2000年生まれ):現在、労働者の最大層で、約36%を占める。ミレニアル世代は一貫して、職業上の野心と家庭・社会生活の均衡を求めている。多くの人にとって、柔軟なスケジューリングや有給休暇は特典ではなく、雇用の選択肢を評価する際の必須条件である。

・Z世代(2001〜2020年生まれ):いまや労働者の約18%を占め、メンタルヘルス、個人の境界線、社会的つながりを重視する姿勢で職場の規範を形づくっている。就職市場に入った当初から、感情的な余白を守り、燃え尽きを避けることを強調してきた。仕事以外の生活を不可欠なものとして捉えているのである。

こうした違いを見ると、異なる年齢層の従業員間で職場に不協和音が生じることを想像できるだろう(あるいは実際に経験したかもしれない)。私生活と仕事の統合という観点では、職業経験が最も長い従業員ほど、仕事が最優先であったため、ワークライフバランスという発想をほとんど考慮してこなかった。一方、最も新しいメンバーはそれを当然の前提とし、確保するためなら賃金が低くても受け入れるのである。

同期した多世代ワークフォースを率いる

ここでは、マネジャーが異なる期待を、従業員全体を支える協調的なアプローチへと転換する方法を考える。こうした違いを統合するために実行できる4つのステップを紹介する。

1. 決めつけずに好みを理解する

世代の傾向はあくまで「傾向」にすぎない。人はそれぞれ異なる好みを持つ。職場の内外で成功を後押しするために、チームメンバーが何を望み、何を必要としているのかについて、率直に会話を持つことだ。年齢層を超えて共通する点が想像以上に多いことや、意外な発見があるかもしれない。

2. 「緩い」ルールと「厳格な」ルールを定義する

人事と連携し、既存の方針を把握したうえで、厳守すべきルールは何か、そしてマネジャーやチームに裁量と柔軟性がある領域はどこかを明確にする。このステップは、組織としての期待値をメンバーに明確に伝え、一貫性と説明責任を促すと同時に、従業員を最適に支援できる機会を見いだす助けとなる。

3. チームの好みを言語化し、記録する

仕事の「唯一の正解」を定義するのではなく、チームとともに規範を形づくる。チーム全体のワークライフの期待値や、構造や責任という観点でバランスがどう実現され得るかについて、具体的な業務上の例を交えて議論しよう。

4. 代弁し、フィードバックを提供する

メンバーと協働した後、マネジャーは個々のニーズを尊重しながら、人事や上級幹部に対して従業員の声を届ける役割も果たしやすくなる。直属の部下のために働きかけ、どの福利厚生が最も効果的かについての意見を共有することで、新たな方針の策定に影響を与え、従業員を効果的に支援できる。

なぜ柔軟性が新たな標準なのか

率直な対話を通じて、リーダーは世代のステレオタイプを超え、より大きなインパクトを持つものへと進める。それが、意図的な柔軟性である。目標は、バランスの定義を1つに統一して合意を強いることではない。人生の段階、信念、責任の違いが、働く場への向き合い方を形づくるのだと認めることである。

選択肢、対話、適応の余地をつくることで、リーダーは人々が支えられていると感じ、最高の成果を出そうとする意欲が湧く環境を築ける。5世代にまたがるワークフォースにおいて、耳を傾け、進化し、共感をもって率いる姿勢は長期的な成功を前進させる。個々のニーズを尊重することは妥協ではなく、競争優位である。

forbes.com 原文

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